(328)火垂るの墓の御影公会堂へ。

2号線を神戸に向けてクランクを回す。
俺が住む西宮市と神戸市の隅っこは、15㎞あるかないかの距離。
時間も含めて、往復したところで知れている。

数年前、ロードバイクに乗り始めて張り切りまくっていた頃、俺はよく神戸へ走った。
目的地は阪神の西灘駅。
別に、西灘駅に強いこだわりがあるわけではない。
それより先の三ノ宮や元町まで行くと、渋滞の中を走らなくてはならない懸念があるので、手前の西灘駅を折り返し地点に設定していた。
それだけのことだ。

「ほんの少しでも時間があれば、ロードに乗るで!」というテンションは、今の俺には少し薄れてしまい(天気やその時間帯の交通量を気にするようになった)、ダメだなと思う。
無駄に賢くなってしまった。
本当に良くない。
「そういや、神戸はご無沙汰やな」ということで、「久々に行こうぜ!神戸へ!」。
自分を奮い立たせ、クランクを回した。
この前の日曜日のことですわ。

西宮から神戸に向けて2号線を走っていると、いつも思う。
市役所近辺の歩道に設置された自転車レーン。
歩道を分けた自転車レーン。
幅1mぐらいなのに対向車(自転車)と共有する自転車レーン。
走る度に「アホくさ」と思う。
とにかく走りにくすぎる。
かと言って、車道を走るにも抵抗がある。
車道も狭いし。
また、以前、自転車レーンが窮屈で車道の脇を走ったところ、パトカーに拡声マイクで何か注意された。
のだが、音が割れてて何を言ってるのか聞き取れず。
「多分、歩道の自転車レーンを走れって注意されたんやろなぁ」と解釈し、市役所近辺で車道に出るのはやめた。

時速15㎞ぐらいで自転車レーンを走っていると、雨が降ってきた。
「もうええって」。
我慢しつつ脚を回していると、自転車レーン終了。
車道に出る。
これまでのストレスを解消しようと速度を上げ、すぐに芦屋市。
そして神戸市。
雨も止んだ。

西灘駅までもうちょっとの距離で信号待ち。
ぼんやり辺りを見回すと、御影公会堂。
ここの地下にある食堂の評判の良さ。
それは耳にしていたので、「一度行ってみたいな」と以前から思っていたが、今のところ縁が無い。

もうひとつ、ふと思い出したのが、「火垂るの墓」。
確か、最初の空襲のシーンで、御影公会堂が出ていた(はず)。
清太と節子が駅のガード下に逃げたが、避難者でいっぱいだったので、海に向かう。
敵機が去り辺りを見渡すと、「公会堂以外、焼けてもうたな」みたいなセリフがあった(はず)。

「と言うことは、彼らは公会堂の横を流れる石屋川を海に向かって避難したんやな」。
西灘駅はもういい。
清太が逃げた道を進んでみる。

右手に石屋川を眺め、ゆっくり南へ走る。
「あれか。ガード下」。
「ほんまにここ?」。
「映画では、もっとごつくなかった?」。

阪神の石屋川駅が見える。
ロードバイクに乗っていたからか、公会堂から石屋川まですぐで、少し残念。
「もうちょっと、火垂るの墓の世界に浸りたかったな」と思いながら、さらに南へ進むと43号線。

この後、クロスバイク乗りが俺を待ち受けているなど、知る由も無かった。

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