(54)さよなら、Continental GRANDPRIX4000SⅡ。野間のオオケヤキライド-4

いつパンクしてもおかしくない痛んだタイヤを履いた状態で、家までの約30㎞を走る。
野間のオオケヤキから、少しの登りの後、ひたすら下り続けた。
路面には、湿った落ち葉や枯れ枝が撒き散らされており、パンクに対しても、スリップに対しても神経質になってしまう。
そんな時、「バキッ」。
プラステックの板が割れたような音が鳴った。
「何か落ち葉に隠れたもんを踏んだんかな?」と一瞬思ったが、止まらすに走り続ける。
どうも違和感がある。
気になる。

ブレーキをかけ停止して、ロードバイクに破損がないか見たところ、懸念していたパンクが後輪に確認された。
「やっぱりなぁ…」。
少し進むと道の端に空きスペースがあったので、そこにロードをおして行き、ひっくり返し、パンクした後輪を外す。
俺は面倒くさそうにサドルバッグから予備のチューブを取り出した。
「チューブ交換をしたところで、タイヤ自体が死んでるから、あんまり意味無いよなぁ。またすぐにパンクするよなぁ」と半分諦めながら交換作業をして、再度走り出す。
「頼む。家までなんとかもってくれ。耐えてくれ」と念じながらペダルをこいだが、残酷にもそれは通じなかった。
「バン」。
10分ほど走ったところで、二度目のパンクが発生。
もう予備のチューブは無い。
パンクしたまま無理矢理走って帰ろうかとも思ったが、ホイールまで痛めたくない。
ロードを輪行袋に収納して、電車で帰ろう。
それ以外の選択肢は無い。

とりあえず、Googleマップで現在地と最寄りの駅を確認した。
現在地から10分ほど歩けば、北伊丹という駅に辿り着けるらしい。
初めて聞く駅名だ。
ここから10分ロードをおして駅に行き、駅前で輪行袋に収納し、9㎏のロードが入った輪行袋を担ぎ電車に乗り、途中で乗り換え、最寄り駅からまた担いで歩き…今からのスケジュールを考えると、頭が痛くなってくる。
疲れるし面倒くさい。
何か打開策はないか?
あ、ひとつあるじゃないか。

自転車つながりで、後日一緒に野間のオオケヤキに行く約束をしたTさん。
彼の善意にすがりつくしかない。
Tさんにショートメールを送り、悲惨な現状を説明した。
「でしたら、今から車を出して迎えに行きましょうか?」という返事を、俺は喉から手が出る思いで欲した。
コンビニの駐車場の壁にロードを立てかけ、スマートフォンの画面を見つめる。
5分後、返信がきた。
その答えは意外だった。
「今、温泉にきてましてね。リフレッシュしています~」
結局、頼れるのは自分ひとりだ。
日が落ち、薄暗くなった知らない町で、俺はロードをおしながら歩いた。

※この記事は、2019年2月16日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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