(59)パピヨン危機一髪!犬好きの俺がロードバイクで犬をひきかけた話-2

仕事中、俺の携帯が鳴った。
母親からだ。
飼っていたシーズーが亡くなったとのこと。
それと、明日、動物霊園に一緒に行こうと。

「飼い犬が亡くなった場合、仕事を休んでも許されるのか?」。
その辺の社会常識が俺にはわからず、上司に相談した。
「休んで行ってあげろ。そういうのは、ちゃんとしてあげた方がいい」と、すんなり許可が出る。
上司からは、以前飼っていた犬が亡くなった時、十分に供養してあげることができず、それを少し後悔しているという話もされた。
職場では、いつも険しい顔でカリカリしている上司だが、優しい人柄であることは、以前から気付いていた。
やはり優しい人だった。

翌朝、仕事を休み、電車に乗って動物霊園に向かう。
どういうわけか、叔母が同行しているのが謎だった。
駅から動物霊園の送迎車に乗り、急な坂道を登ると、慰霊塔が見える。
車を降り、受付に行って、若い女性職員からいろいろと説明を受けた。
ニキビが少し目立つが、小柄で可愛らしいお姉さんだ。
その際、「亡くなられたのは、ワンちゃんですか?ニャンニャンですか?」と聞かれ、飼っていたのが犬でよかったと心から思った。
俺のキャラ的に、「ニャンニャン」を口にするのはハードルが高い。
関係無いが、以前、俺はBBUKAを愛読していた時期があったので、「ニャンニャン」という言葉を聞いた瞬間、反射的に「にゃんにゃん写真」を連想してしまう。
霊園という厳粛な場で、不謹慎極まりない。

話を戻す。
「ワンちゃんです」と答え、少しして葬儀が執り行われることになり、僧侶登場。
動物の葬儀と、そして担当の僧侶がいることを生まれて初めて知り、俺は驚かされた。
読経の間、「世の中には俺の知らんことがいろいろあるんやなぁ」と、しみじみ思う。
そして、間もなく、段ボールの中で目を半開きにして横になっている彼とお別れになる。

葬儀が終わり、母親と叔母はどこかに寄り道すると言うので、俺はひとりで帰った。
今まで犬の看病で疲れていた母親なりに、羽を伸ばしたかったのだろう。
家に着き、電気をつけてソファーに腰を掛け、俺はそのまま寝た。
次の日から仕事に追われる日常に戻り、今に至る。

犬を飼ったことがきっかけとなり、俺は犬好きになった。
普段、道を歩いていてる時も、ジョギングやサイクリングをしている時も、散歩中の犬を見かけると、つい見入ってしまう。
特に、シーズーを見ると、かわいらしく、そして懐かしく感じる。
そんな俺が、サイクリング中に犬をひきそうになり、心の底から懺悔したい気持ちになった。
今でも、ひかれそうになる瞬間の犬の顔をはっきりと覚えている。

※この記事は、2019年2月20日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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