(365)南京町に向かって走る-1

先月のこと。
ウエムラサイクルパーツで買い物をしたついでに、梅田の地下街、泉の広場辺りをうろうろした。
学生時代、ここの噴水をよく待ち合わせ場所にした。
最近(と言っても半年前ぐらい?)にリニューアルして、今はもう噴水は無くなり、周辺のお店も様変わりしたようだ。

「あ、ほんまに大吉があるわ」。
堺にある天ぷらの人気店、大吉。
天ぷらの評判もいいが、アサリの味噌汁も名物で、味わった客が貝殻を床に捨てる。
そんな光景も名物のよう。
数年前、難波にもオープンし、「俺も行ってみたいなぁ」と思っていたが、行列が出来るようで行かず仕舞いだった。
ところが、地下街のリニューアルとともに、大吉が梅田にもできたと知る。
「ええ機会やから、行くだけ行ってみよう」。
「あら?」。
奇跡的に空いていたので、俺は舞い上がりながら入店。

カウンターに座り、目の前に置かれたオーダー用紙に正の字を書く。
セットもあったが、「じゃが芋、玉ねぎ、南瓜…」と単品で注文。
ハイボールを飲みながら天ぷらを待っていると、少し気になった。
「何やろ?人、少なすぎるよな」。
お店の中も、店の前の通路も。
考えてみると、そもそも地下街からして人が歩いていない。
「まぁ、人が少ないと人気店に並ばんで入れるから都合ええわ」。
単純にそう思ったが、しばらくして新型コロナの影響であることに気付いた。
天ぷらが運ばれ、ほろ酔い気分で食う。
「南瓜、ほんまにうまいよなぁ」。
30分ほど満足感に浸った後、俺は家に帰路についた。

数日後、いつも通り「サイクリングがてら弁当買いに行こうか」。
そう思い、ネットで近隣の弁当屋を調べていると、「お、何やこれ?ハンバーグ、めっちゃうまそうやん」。
夙川に、洋食の弁当屋があるではないか。
行ったことがない店だ。
「決まった。ハンバーグ食おう」。
地図を見て、ルートを確認する。
甲子園を北に進み、2号線を西へ。
距離は片道5㎞ほど。
俺はサドルに跨がった。

うちの近辺では、それなりに繁盛している感じのラーメン屋の前を通り過ぎる時、チラッと店内に目を向ける。
と、客0。
「なかなか珍しい」。
「時間帯の問題なんかな?」。
「いや、コロナの影響でみんな外で飯食うの敬遠してるんやろなぁ」。
「この調子やと、北口(繁華街)のお店も暇なんかな?」。

クランクを回す。
やがて、JR西宮駅(この界隈もそこそこ賑やか)に差し掛かり、走りながら中が見えるお店に目をやると、「まぁまぁ空いてるな」と印象を受けた。
「梅田からして人が少ないんやから、そら、この辺も寂しなるわなぁ」。

「神戸も同じなんかな?三ノ宮も元町も」。
「もしかしたら、南京町も人が少ない?」。
南京町とは、神戸の中華街。
普通の中華料理屋と同様、入店して食事するお店も多いが、店先で豚まんや唐揚げを売っているお店もあるので、以前から「サイクリングのついでに寄りたいな」と思っていた。
ただ、いつも混んでいるイメージがあり、「ロードバイクを押して歩いて買い物すると、周りの人には迷惑やろなぁ」という理由で、断念。
していたがだ、「今ならいけるかも」。
「観光客、少ないかも」。
目的地を夙川の弁当屋から南京町に変更。
神戸へクランクを回す。

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