(366)南京町に向かって走る-2

人がひしめき合っているのか、またはスカスカなのか。
南京町に着くまでわからないが、ひたすらクランクを回す俺。
「串に刺した鶏の唐揚げ食って、角煮まんも食いたいなぁ」。
そんなことを考えていると、サイクリングが急に楽しく感じる。

片道20㎞程度。
往復しても、体力的に余裕を持った状態で帰って来れるだろう。
「ならば」というわけで、散歩気分で走るのはやめ、甲子園~南京町を全力で駆け抜けよう。
サイコンに目をやると、時速30㎞…、32㎞…、34㎞…。
「なかなかいい感じ」。
「『俺はロードバイクに乗ってる!』って充実感があるねぇ」。
「でも、この先、信号で止まって、また加速して止まって…を繰り返すんやろなぁ」。
「で、帰ってStravaをチェックすると、『平均時速18㎞』。その辺に落ち着くんやろなぁ」。
急に、サイクリングがつまらなく感じた。

西宮市から芦屋市を過ぎ、神戸市に入る。
ずっと国道2号線を走ってきたが、西灘駅を通り過ぎた辺りで、43号線と合流。
このまま真っ直ぐ西へ進みたい。
三ノ宮駅、元町駅を横目に走り、南京町にたどり着きたい。
が、それにはちょっとした難関がある(俺には)。

左折専用レーン。
車の流れに乗って走っていると、進みたくもない南側の道へ誘導される。
「ややこしいねん!」と思い、「次にこの道を走る時こそは!」と意気込むが、何度も同じ失敗を繰り返してしまう。
敢えて歩道に逃げ、歩行者として横断歩道を渡ってから直進しようにも、しばらくは信号が無い。
横断歩道が無い。
「俺はただ真っ直ぐ進みたいだけやのに…」。
「それって、贅沢な願いか?」。

とまぁ、くよくよしても仕方が無い。
ので、この課題を克服しようと俺なりに努力はした。
「車道におけるロードバイクの走り方」みたいなサイトをいくつか読んでみて、「ほうほう、なるほどな」と頭では理解した。
「OK。左折専用レーンは右端に位置取りして直進ね」。
しかし、実際に問題の場所が近付くと、交通量が多い。
さらに、車はそこそこ速く走っている。
「右端に…って、怖いわ。無理やわ…」。
結局、この日も不本意ながら左折して、走る予定の無い道を走った。

不本意な南側の道を進んでいると、「車、びゅんびゅん飛ばしてるで…」。
「俺、迷惑になってへんかな?」。
そんな心配と、「ほんまに進み続けてええんか?車がめちゃめちゃ怖いんやけど」という不安。
精神が消耗しまくる。
「この流れの中を走るの怖いから、次の信号で歩道に逃げよう」と思ったが、信号がなかなか無い。

夢中でクランクを回したところ、どこをどう走ったのか、三ノ宮駅の南側にある公園、東遊園地に出た。
「耐えた…」と思う。
そして、もう車が怖いので、裏道を地道に走って南京町へ向かうことにした。

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