(367)南京町に向かって走る-3

予定していたルートではないが、三ノ宮から元町までちんたらと走る。
正直なところ、神戸中心部の土地勘についてはイマイチ。
「方向は間違ってないやろから、何となく辿り着くやろ」ぐらいの感覚。

5分後、元町の大丸周辺に出た。
南京町の東側の入口、長安門が見える。
俺はロードバイクから降り、SPD-SLシューズにクリートカバーをはめた。
これがなかなか、いちいち面倒くさい作業である。

長安門をくぐると、中華街。
その中心に向かってロードを押して歩く。
と、「え?それなりに人おるやん?新型コロナの影響無いんかな?」。
そんな印象を受けた。
「もっと、人通りがまばらかなぁ思ってたんやけどなぁ」。

ロードを押したまま、人混みの多い中心街で買い物をすると、お店にも他のお客さんにも迷惑を掛ける。
というわけで、少し離れたお店、人が少ないお店を狙い、店頭に目をやった。
「小籠包かぁ」。
「ゴマ団子かぁ」。
並べられた食べ物を見て悩んだ結果、「やっぱり唐揚げやな」。

「あ、このお店も200円や」。
以前にも南京町で唐揚げを買い、200円だった記憶があったので、あらかじめ小銭をポケットに入れていた。
スムーズに買い物をするための工夫として。
店員の女性に100円玉を2枚渡し、串に刺した唐揚げに手を伸ばすと、「これもおいしいですよ」。
角煮まんを勧めてきた。
「わかってるよ。そんなん、見るからにうまいやん」と思ったが、唐揚げの串を左手で持ち、ハンドルに右手を掛けた状態だったので、両手がふさがっている。
同時に2つ買うのは無理だ。
とりあえず唐揚げだけ買い、裏路地に入る。
「当店以外で購入した物をここで食べないで下さい」と壁に貼り紙があったが、俺はセーフ。

串に刺した唐揚げ。
セブンイレブンでも売っている。
130円ぐらいだろうか?
南京町の唐揚げは、さすが200円。
見た目はそれほどのボリュームでもなく、ちゃちゃっと食えそうなのに、口に含んで噛んでみるとジューシー。
「うっわ、一緒に米食いたい」と本気で思った。
「これは値打ちがあるわぁ」。
「うまいわぁ」。
「腹が膨れたわぁ」。
予定では角煮まんも食うつもりだったが(うまいに決まってるからね)、唐揚げで満足してしまい、「もう帰ろうか」となった。
南京町に着くまで1時間ほどかかったが、20分も滞在しなかったと思う。

芦屋、西宮方向から神戸の中心部に入る往路は、左折専用レーンのおかげで苦労したが、復路は特に問題も無く脚を回すことに集中できた。
「帰ってStravaをチェックするんが楽しみやな」。
「でもなぁ、速く走った気でおっても、結局は平均時速18㎞に落ち着くんやって」。

家に着く。
玄関をくぐり、ジャージのバックポケットからスマートフォンを取り出す。
「!?」。
平均時速は、16.2㎞だった。

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