(395)Y’sロード大阪ウェア館にマスクを買いに行く-1

先月のこと。 
電車に乗ると、席が空いていたので、「今日はついてるねぇ」と俺は座った。
途中から乗客が徐々に増え、立っている人も数人いたが、俺の隣には誰も座らない。
おかげで、用事がある駅までゆったりと座れた。
帰りの電車も同様、空いてる席に座ったが、俺の隣には誰も座らない。
ゆったりと、そしてのんきに漫画アプリのマンガワンで「アイアムアヒーロー」を読みながらも違和感を覚える。
「おかしい」。
「何かおかしいよな」。
「電車、そこそこ混んできたのに、俺の隣だけ誰も座れへん」。
「立ってる人もおるのに」。
「なんで?」。
冷静になって考え、「はっ!」。
俺はマスクをしていなかった。
と言うか、そもそもマスクを持っていなかった。
コロナの影響で、どこもかしこもマスクをするのが当たり前。
そんな空気を感じたのは、この日が初めてではない。
前々から何となく感じていたので、会社の行き帰り、コンビニに寄って、マスクを買おうと売場をチェックしたが、「売り切れ」の貼り紙。
時間に余裕がある時は薬局にも寄ったが、「売り切れ」の貼り紙。
俺なりに、一応はマスクを買う努力をしたことはしたのだ。
しかし、結果が伴わないわけで、「マスクをしていない(そもそも持っていない)俺は非国民扱いされるのが現実なんや」。
そう割り切ることにした。

まぁ、俺の中で割り切ったところで、世間の風当たりを厳しく感じられてしまう日常は何も変わらないわけで、近所の飲食店、Rさんのお店で酒を飲みながら愚痴る。
と、「これ、使いますか?」とRさん。
俺にマスクを手渡してくれ、「ありがとうございます!」。
洗えない使い捨てのマスクのようだが、既に20日間は使わせてもらっています。
本当にありがとうございます。

というわけで、普段の生活において使えるマスクをひとつキープし、人並みに暮らしている今日この頃ではあるが、また最近気になることがあった。
近所のサイクリングロードを走っていて、また、通勤中にロードバイク乗りを目にすると、「みんなマスクしてるやん…」。
「今のご時世、ロードに乗る時もマスクするんがマナーなんか…?」。
困った。
俺はロード用マスクなど持っていない。
そもそも、そんなもの、今まで買おうと思ったことなど無い。
一度も。
困った。
そして、何か嫌気が差してきた。
「しばらく、ロード乗るん、かったるいわ」。

そんなわけで、2週間近くロードに乗ることもなく、使い捨てのマスクを繰り返し使う日常を送っていた。
のだが、暇潰しにY’sロード大阪ウェア館のサイトを見ていると、「マスク入荷」の記事が!
10個限定とかだったと思うが、「近いうちに行けたら行こう」。
で、次の日の夕方、俺はY’sロード大阪のある堺筋本町まで電車に乗って行くわけだ。
「マスクを買いに行く電車の中でコロナに感染したら、アホらしすぎて死んでも死にきれんよな」と思いながら。

地下鉄の堺筋本町で降りて、改札をくぐり地上への階段を上る。
10年ほど前、俺は通勤で堺筋本町駅を使っていたので馴染みがあるのだが、ここでも違和感。
ゴールデンウィーク中で、且つ非常事態宣言が出されているのに、スーツを着た人がそこそこいるように感じた。
「悲惨やな」。
「まぁ、昔、俺がおった会社も同じやろな。どんな状況でも出社させられてたやろ」。

堺筋沿いを少し歩き、Y’sロード大阪ウェア館にたどり着く手前に、Y’sロード本館がある。
「久々に入ってみよか」と入店。
PINARELLOコーナーやBianchiコーナーを見て回り、店を出ようとした時、ふと思い出した。
「そやそや。フレームを清掃するクロス、買っとこ」。
踵を返し、メンテナンス用品コーナーに進む。
そして探してみたところ、チェーン用のクロスはあったがフレームのは無い。
「店員さんに聞いてみよか」。
レジで何か作業している男性店員に声を掛けてみる。
「はい。あぁ、その商品はありますが、無いですね」。
そう笑顔で答えられたが、「?」。
とりあえず、意味がわからない。
あるのか無いのかわからない。
「え、あるんですか?」。
「商品はありますけど、無いですね」。
「!?」。
やはり、あるのか無いのか理解できない。
「売場には、チェーン用のクロスはあったんですが、フレーム用が無かったんですけど、フレーム用はあるんですか?」。
笑顔で「はい、商品としてはありますけど、今は無いです。すみません」と店員さん。
「!?」。
俺なりに頭の中を整理する。
フレーム用のクロスは、商品としてこの世に存在する。
が、今現在、お店に在庫が無い。
おそらくそういうことだろう。
軽く会釈して「そうですか。では、結構です」。
その場を離れようとしたところ、「チェーン用もフレームの清掃に使えますよ」と言われ、「まぁ、ええか」。
購入。
「ややこしい説明すんなよ」と思いつつ、妙に顔がにやけた俺は店を出た。

Y’sロード大阪ウェア館に向かう。

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