(411)武庫川サイクリングロードを走る、最近の俺。

クロスバイクで自転車の楽しさに目覚め、色気付いてロードバイクに乗り、武庫川サイクリングロードを走るのが習慣になって10年近い。
「俺、プロになれるんちゃうか?」と勘違いしたこともあれば、向かい風の影響を受け時速20㎞を維持することすら難しく感じる時もあった。
ロードの楽しさも苦しみも教えてくれた、身近にあるサイクリングロード。
俺は感謝しているわけだが、まぁ、それはそれとして。

んなことより、最近サイクリングロードを走っていて気付いたことがある。
傷付いたことでもある。
「俺、めっちゃ遅いわ」。
「以前より明らかに遅くなってるわ」。
Stravaを始め、客観的に自分を分析し、否が応にも自覚してしまった。
調子に乗ってRacing Zero Niteで走っても俺は遅い。
遅すぎる。

そこでだ。
速くなるにはどうすれば良いか俺なりに考えた。
「鼻炎のせいで呼吸困難となり、サイクリングに支障が出ている。まずは病院に行かなくてはならない」。
「下手に経験を積んだため、手を抜きながら走ることが多くなった。改めるべきだ」。
「単純に、体が弱い」。
「もともと運動神経が悪い」。
一瞬でいろいろ思いつき、「全てが的を得ているな」と思う。

3日前も武庫川サイクリングロードを走り、サイコンをちらちら見ながら「我ながら遅いな」。
そこそこ傷付いた。
「う~ん、そんなに強い向かい風でもないのに時速25㎞かぁ」。
「クロスに乗ってた時もこんなもんやった気がする」。
「ロードに乗ってる意味が無いような」。
気分が沈む。

と、俺の右側を黒い影が通り過ぎた。
一瞬だったので、黒いフレームしか確認できなかったが、これまた一瞬で遥か彼方へ。
あまりにも速かったため、「ついていこう」という気にもならない。
「まぁ、俺は既に10㎞近く走って少し疲れているが、今の人はついさっき走り始めたばかりで体力に余裕があるのだろう」と、自分を傷付けないよう言い訳を用意する俺。
自然に防衛本能が働いた。

またしばらく走ると、知らないロード乗りに追い抜かされる。
次ははっきり見えた。
赤のTIME。
俺が時速25㎞で、赤TIMEは40㎞ぐらいか。
次元が違いすぎて追う気にならない。
「あぁ、また抜かれた…」。
「今日2回目か…」。
さらに重い足取りで家に帰る。

焼酎をちびちび飲みながら、不貞腐れつつ思い返した。
「抜かされるん、何も今日始まったことじゃいよな」。
「随分と前から抜かされまくってるよな」。
「抜かしたけど抜き返されて、また抜いて抜き返されてって感じで、知らん人と勝負して負けたこともあったよな」。
酒がまずく感じる。
が、「ちょっと待てよ」と。
「速く走ることに対して、自分の中に潜む課題をひとつひとつ克服していくよりも、他人との比較によって自分を高めることができるのではないか?」。

昨日、懲りもせず武庫川サイクリングロードに挑んだ。
テーマは、「他人に抜かされないこと」だ。
手を抜かず常に真剣にクランクを回し続ければ、それは可能ではないか。
そして、結果的にアベレージは一気に上がるのではないか。
たった20㎞の距離だが、自分の考えを信じ走ったところ、アベレージは少し上がった。
また、誰にも抜かされることもなかった。
が、そもそもロード乗りを見掛けなかった気もする。
「月曜の昼間に走ってる人なんか、なかなかおらんよな」。
「ほんま、俺はええ身分やな」。
「暇なだけやけど」。

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