(9)古い阪神ファンだからこそ感じる、ドライバーへの感謝の気持ち

以前、飲み屋のカウンターで、ひとり酒を飲んでいると、隣に元阪神タイガースの選手が座った。
この方は、掛布、バース、岡田とともに日本一に輝いたV戦士で、個人タイトルは何もをとっていないと思うが、古い阪神ファンは知っている元選手だ。
引退して随分たっており、今はスポーツ新聞やテレビ解説でたまに拝見する。
そんな、子供の時にテレビで見た人が近い距離にいることに、俺の心は躍った。
店主がとりなしてくれたおかげで、少しの時間だが、昔の阪神について話をうかがうことができ、満たされた夜になった。

阪神は、1985年に日本一、86年リーグ3位、そして、弱体化が加速し、87年最下位。
以後、最下位争いの常連として存在感を発揮する。
テレビや球場で試合を観戦すると、「どんくさい」「なさけない」、そんな印象ばかり残っている。
相手チームの作戦はバシバシ当たるが、阪神は、ただ淡々と、負ける試合をこなしているだけのように感じた。

巨人はファンに夢を与えるが、阪神は甘い夢を見せてくれない。
「駄目なやつは、やっぱり駄目なんだ」と、きっちり現実を叩きつけてくれる。
残酷なほどに。
最弱の阪神は、俺の人格形成に悪影響を与えたと思う。

懲りずに毎シーズン最下位争いをしている阪神を見て、疑問に感じたことがあった。
シーズンによってはヤクルト、時には大洋(現DeNA)と最下位争いをするが、まるで役目のように最下位を確保しても、2部降格にはならない。
何故なら、どん底をさらに突き抜けた悲惨な戦力でも、セントラルリーグの厚いご厚意により、ペナントレースに参加させてもらえているからなのだ。
我が阪神タイガースは、慈悲深いNPB、野球ファン、その他善良な人たちのおかげで、ペナントレースに参加させてもらえている。
そう考えると、阪神のどんくさいプレーを見てもムカムカせず、「参加させてくださって、皆様、本当にありがとうございます」という、感謝の気持ちが芽生える。

自転車も同じ。
営業や運送など、仕事、生活に直結する理由で車道を走っている人たちがいる中で、俺のような、趣味で自転車に乗ってチンタラと車道を走っているレーサーがいる。
よくよく考えてみると、彼らに迷惑をかけている側の俺は、「道路を走らせてもらっている」のだ。
俺は、意識が低いので、酔っぱらって自転車に乗り、怪我をしたことや、急に犬が飛び出してくるなどの不可抗力で怪我したことはあるが、車のドライバーのせいで痛い目にあったことはない。
ドライバーの人たちが注意を払ってくれたおかげで、俺は快適にサイクリングを楽しませてもらっている。
俺は走らせてもらっている。
これからも、この気持ちを持ち続けたい。
今日も明日も、ドライバーの人たちに感謝しながら走りたいと思う。

※この記事は、2019年1月20日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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