(799)サイクリングロードを走った後、梅田の「たこ梅」へ。

休日のルーティン、武庫川サイクリングロードを走る。
家を出てサイクリングロードを往復しても、20㎞程度。
1時間も掛からない。
まぁ、散歩のようなものだ。

脚を回しながら、考える。
「帰ってから洗濯して、明日からの仕事の段取りをちょっとだけして…、飲みに行く…と」
「どこの店に行こうか?」

この日、俺には約束があった。
梅田で、10代の頃からの友人と会い、そして酒を飲む。
おっさんふたりなので、色気などまったく無いが、それはそれで落ち着くので良い。

15時、大阪駅の改札で待ち合わせ、「おぅ」、「おぅ」。
肩を並べて歩き始めた…のはいいが、どこに向かっているのか?
店の予約などしていないはず。
「おい、お前の中で決まった店、あるんか?」
友人にそう尋ねると、「無いで」。
「じゃあ、とこに向かってんねん?」
「いや、俺はお前に案内されてるつもりなんやけど」

「え?」
足を止め、友人に聞く。
「じゃあ、何、食いたい?」
「何でもええで」
「そっか。そんじゃ、季節柄、おでんはどうやろ?」
「おでん、ええなぁ」
「OK。知ってる店あるわ。こっちやわ」
阪急方面に向かって歩き出す。

俺の「知ってる店」とは、新梅田食堂街にある「たこ梅」。
何でも、「日本一古いおでん屋」と言われているらしい。
ひとりでも入りやすく、さっと美味いおでんが出て、それをつまんで、酒を飲む。
10年近く前、まだ、ひとり飲みに慣れていなかった俺が、ちょくちょく通い、迎えてくれた店だ。

入店。
まず、目に入ったのが、おでん鍋。
ぐつぐつ煮えた具材を見ると、「片っ端から食いたいわ」。
俺の中で、そんな欲望が湧き上がった。

店員さんから、「こちらへどうぞ」。
コの字カウンターの空いている席に案内され、移動しつつも、視線の先はおでん鍋。
「ドリンクはどうされますか?」と聞かれ、「とりあえず、瓶ビール2本で」。
そう伝えながらも、視線の先はおでん鍋。
「片っ端から食いたいわ」

メニューを開き、お互いに好きなものを注文する。
俺は、まず「たまご」と「あつあげ」。
王道というか、定番から抑えて行こう。

「んじゃ、お疲れ」
「お疲れ」
友人のグラスに、そして俺のグラスにビールを注ぐ。
「乾杯」
指先でグラスを持ち、ちびちび飲み始めると、隣で友人が話し掛けてきた。
「仕事、どう?コロナの影響ってあった?」
「まぁ、それはそれなりに…かな。みんな、そうちゃうか?」
「そうやろけど、俺なぁ…」
友人から仕事に対し悩んでいる様子が伺えた…のタイミングで、「『たまご』に『あつあげ』です」。
さぁ、来ました。

箸で「あつあげ」を4分割し、それぞれに辛子を塗り、口に含む。
出汁も染み込んでいて、美味い美味い。
「うん、うん」
堪能しつつ、「で、仕事で何かあったんか?」と友人に尋ねる優しい俺。
「うん…、また近々転勤かも知れん…」
「なるほどなぁ」
あれは、15年ほど前だったか。
友人が今の会社に入って以来、出張と転勤を繰り返していることを、俺は以前から聞いていた。
まぁ、俺の経験として、出張連発の時期はあったが、転勤は無い。
一度も。
結局、俺は彼の立場に立って、彼と痛みを分かち合うことはできない。
そんなことよりも、「あつあげ」は美味い。

ビールを飲み、注文を繰り返す。
隣に座る友人も、少しずつ酔い、心なしか気持ち良さそう。
と、思ったら、随分と深刻そうに「仕事の話なんやけどな…。まだあって…、聞いてくれるか…?」。
俺は、「ちょっと待ってほしい」と思う。
「たまご」を食いながら。
美味い。

で、ちょっと待ってほしい。
相談事は、俺にしないでほしい。
俺に相談したところで、その場では気が晴れる…かも知れないが、現実は何も変わらない。
現実が変わらない相談など、意味が無い。
現実を変えたいなら、相手を選ぶべき。
「お前には、お前の良さがある」
「それは、誰もが通った道や」
そんな抽象的なアドバイスは誰でもできるが、何の価値も無い。
現実に直結しない。
相談事をするなら、具体的な答えを持っている人にすべきだ。
もし、周りにそんな人がいないなら、問題に対して自分で向き合い、自分で考えろ。
それにしても、「じゃがいも」は美味い。

断っておく。
俺は「たこ梅」の全メニューを制覇していない。
全メニューを制覇していないが、俺の中で、一番は「わかめ」。
地味なようで、旨味がまとわりついてくる。
これは外せない。
と言うわけで、「たこ梅」は「わかめ」だ。

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