(880)ロードバイクには乗らず、大相撲大阪場所千秋楽へ-1

馴染みの蕎麦屋で穏やかな時間を過ごす。
そこの店主とは、いつも世間話をするが、店が混み出すと仕事の邪魔はできない。
俺はひとり、蕎麦をすすりながらぼんやりとテレビに目を向ける。

「う~ん。この店、どう考えてもおかしいよなぁ」
以前から違和感を覚えていた。
テレビに映るのは、「ドイツ語講座」や「中国語講座」など、NHK教育の番組ばかり。
「こんなん観たい客、おるんか?」だ。
たまに相撲中継が放送されている時は、相撲に切り替えるが、基本的には「○○語講座」。
客のニーズに合っていないと思う。

そこで、「何でですか?NHK教育のファンなんですか?語学に興味あるんですか?」。
店主に尋ねてみたところ、「仕事中にね、ワイドショーやニュース番組は、なるべく目に入れたくないんですよ…」。
話によると、コロナ関連の情報ばかりで気分が滅入る…らしい。

「なるほどね」と納得し、また蕎麦屋に通い、外国語講座ではなく相撲中継の時は「ちょっとラッキー」。
そう思うようになった。
「あら?」
我に返る。
そもそも、俺は好角家ではない。
子供の頃からプロレスファンだ。
まぁ、千代の富士、小錦、若貴、武蔵丸、舞の海、曙、朝青龍など、スポーツニュースに取り上げられるクラスの力士は知っている。
本当にその程度。
しかし…だ。
「相撲って、おもろいな」
カウンターの隅でテレビの画面を見詰めていると、そんな感情が湧いてきた。

同じく相撲中継を観ている店主に話し掛ける。
「あの、相撲、詳しいですか?」
「人並みには…ですかねぇ」
「ちなみに、この店に力士が来たことはありますか?」
「それは無いですねぇ。昔、東京で仕事してた時、国技館の近くで力士を見掛けたことはありますけど、力士との接点はその程度です。うちの店に来てくれるなんて考えられないですねぇ」
「あぁ、自分もですね、地下鉄難波の辺りで、浴衣姿で歩いてる力士を見たことありますわぁ」
「歩いてるだけでも「おっ!」って感じますねぇ。でも、やっぱり、生で取組を観てみたいですねぇ。KRMさんはあります?」
「いやぁ、無いんですよ」
「テレビとは、迫力が全然違うんでしょうねぇ」
「でしょうねぇ」

店主と話しているうちに、「大阪場所、行ってみよか」という気分になり、升席で弁当を食い、酒を飲みながら土俵を見詰める自分を想像した。
「いいねぇ」
贅沢な1日になりそうだ。

が、現実として…だ。
今のご時世、コロナ、コロナ、コロナ…。
タイミング悪く、大阪場所の時期にまん防が実施され、館内飲食は禁止になっているかも知れない。
また、チケットが手に入るかどうかも分からないし、手に入っても「高いやろなぁ」と思う。
「うん、椅子席でええか」

次に検討すべきことは、「誰と行くか?」だ。
速攻で第一候補に挙がったのが、古くからの友人M(40代 男性)。
正直、これまで相撲について語っている彼を見たことは無い。
ただ、かなり太っているので、きっと相撲が好きだろう(知らんけど)。
また、彼は出張が多く、あちこちに赴いて忙しくしているらしいが、プライベートの予定、土日の予定はほぼ0…なのを俺は知っている。
「うん、こいつしかおらんなぁ」
ほろ酔い気分で蕎麦屋を出た後、ふらふらと歩きながらMに電話をかけた。

つづく

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