(952)夢であってほしいと願う。-2

夜中に仕事を依頼され、出社。
夜中にパソコンと向き合う俺。
「ほんま、急な話やで…」。
文句を言いつつ対応を終えたのは、4時前だったか(朝のね)。
取引先に報告し、「疲れたわぁ…」。
机にうつ伏せ、自然に目を閉じた。

そう、目を閉じた。
ただ、寝心地が悪い。
悪すぎる。
机にうつ伏せるよりも…だ。
事務所の端、徒歩5秒圏内にあるソファーで横になった方がよっぽど良い。
分かっている。
頭では分かっているが、ソファーに移動できない。
ほんの少しでも動くことに、大きな抵抗を感じる。

しばらくして、窓から光が差し込み、チュンチュン…と雀の鳴き声。
またしばらくして、シャンシャンシャンシャンシャン…。
クマゼミだろうか?
耳障りすぎて、眠りに集中できない。
起きているのか眠っているのか、自分でも分からない状態が続いた。

「こんな時、どうすればええんやろ?」
「とにかく、無心になることやな」
「無心になるって、それはそれで難しいで」
「大丈夫。ええから、何も考えるな」
「『何も考えるな』って自分に言い聞かせてる時点で、頭を使ってるやん」
「屁理屈はええから、小難しいことは考えるな」
自問自答を繰り返し、やがて、俺は眠りに落ちた(と思う)。

この時に見た夢は、随分と奇妙なものだった。
夢の中の俺は、会社の机にうつ伏せて眠っているのだ。
そして、夢の中で人の気配を感じる。
コンコン…。
コンコン…。
ドアをノックする音。
誰だろう?
まぁ、誰でもいい。
俺はゆっくりと眠りたい。
無視しておこう。
すると、また誰かがノックする。
コンコン…。
コンコン…。
鬱陶しい。
鬱陶しい。
ちょっとした悪夢だ。

夢の中で考える。
どうする?
ドアの向こう側に立つ人。
彼には申し訳無いが、適当なことを言って帰ってもらおうか。
それがいい。
「今、手が離せないんで、お構いできません!」
入口に向かって叫ぶ俺。

コンコン…。
コンコン…。
数秒後、またしてもノック。
しつこい。
本当にしつこい。
睡眠の邪魔をされたくない俺は、夢の中で強烈なストレスを感じた。
「今、忙しいんですよ!」
再度、入口に向かって叫ぶ。
「寝るんが忙しいんですよ!」

納期が迫っている…にも関わらず、残りの作業は山積み。
「早く処理せな…」とパソコンに向かい、バチバチとキーボードを叩くが、気持ちばかり焦り、タイプミス連発。
そんな夢を見て、夢の中でイライラしたことは何度かある。
が、今回のケースは初めてだ。
睡眠を妨害されてイライラする夢は初めてだ。

コンコン…。
コンコン…。
「だから、寝てるって言うてるやろ!ボケ!」
コンコン…。
コンコン…。
「おい!しつこいぞ!なんべんも言わせんなよ!お前はアホか!?」

し~ん。
静寂が流れる。
訪問者は帰ったのか。
よかった。
これで眠りに集中できそうだ…と胸を撫で下ろしたところで、「ブー、ブー」。
机の上に置かれたスマートフォンが振動し、一気に目が覚めた。

現実に戻り、「はい、krmです…」。
「どうも!お疲れ様です!ご対応、有り難うございました!」
取引先のAさんだった。
「いやぁ、今回もねぇ、本当にね、急にお願いしてねぇ、申し訳ない!も・う・し・わ・け・が・ない!」
全然申し訳なさそうに聞こえなかったが、「どういたしまして」と答え、俺は電話を切った。

パソコンに目をやり、時間を確認すると、昼前。
机の上に散らかした物を鞄に放り込み、会社を出る。
「あぁ…。ほんまやったら、今日は丸一日ゴロゴロする予定やったのになぁ…」
「今回が初めてとちゃうけど、夜中に緊急対応の依頼は、さすがに極悪すぎるで…」
「はぁ…」
溜め息を付きながら家へ帰る。
とぼとぼ…と。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
明日は日帰り旅行を予定しているため、ブログを更新できるかどうかは分かりません。
が、これからも読んでね。
押してね。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村 その他日記ブログ 40代男性日記へ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする