(953)夢であってほしいと願う。-3

布団の上で、ふにゃーっと横になりたい。
どろっと溶けて、布団と同化するかの様にダラダラしたい。
そう願い、やっと休日を迎え…そうになったところで、取引先のAさんより電話。
仕事の依頼。
緊急対応。
出社。
徹夜。
朝の4時前、「あぁ…、やっと終わった…」と机にうつ伏せたまま眠り、Aさんからの電話で目が覚めた。
帰宅。

「あー、災難やったわぁ」
布団に寝転がり、しばらく天井を見詰めた後、俺はゆっくりと目を閉じる。
が、眠れない。
1時間前まで会社で眠っていたのだ。
仕方が無い。
意味も無く、ぼんやりと天井を見詰める。

参った。
寝転がって天井を見詰め続けても、率直に言って、退屈でつまらない。
俺が求めているダラダラ、ゴロゴロ…とは違う。
何かが違う。
また、何かが足りない。
「あっ!」
それは、酒だ。
酒を飲みながら、布団の上でドロドロになろう。

枕元に手を伸ばし、前の日に買ったウィスキーの瓶(180ml)の蓋を開ける。
「とりあえず、チビチビと飲んでいこか」。
そう思ったが、ちょっと待て。
つまみが無い。
俺は、つまみが無ければ酒を飲めない。
「あぁ…」
ウィスキーの蓋を閉じ、また天井を見詰める。

何だろう?
どうしょうもなく無駄な時間を過ごしているような。
確かに、俺はゴロゴロ、ダラダラしたいが、もっと有意義なゴロゴロ、ダラダラを望んでいる。
ただ、それは叶えられそうにないため、ここはひとつ、発想を変えよう。
ゴロゴロ…はやめ、むしろ動こう。
家を出て、体を動かそう。
「OK!」
サイクルジャージに着替える俺。

近所のサイクリングロード。
少し走ったところで、「そやそや」。
脚を止める。
ツイートなりブログに掲載する写真を撮っておきたい。
右手を背中に回し、ジャージのバックポケットからスマートフォンを取り出す。
と、「何や?」。
不在着信通知。
電話の主は、取引先のAさんだった。

「最悪や…」
「また緊急対応の依頼か…?」
「まさかなぁ…」
「俺は夢でも見てるんやろ…」
「いや、そんなわけ…ないよなぁ…」
「あぁ、嫌すぎる…」
「どうしよ…」
折り返し、電話を掛けるべきなのは分かっている。
頭では分かっている。
が、嫌な予感しかしないため、体がそれを拒否している。

参った。
本当に参った。
もしも…だ。
2日連続で、「いやぁ、急な話で申し訳無いんですけどね、ちょっと困ってましてねぇ。○○と××の対応を今日の夜までにお願い…できますよね!?」などと言われた場合、俺はどれだけの精神的ダメージを負うか?
想像するのも怖い。
怖すぎる。

もう何も考えたくない。
「とりあえず、知らんふりしとこか…」
サドルに跨がり、またクランクを回す。
ただ、回しながらも気分は複雑。
「やっぱりなぁ、仕事の連絡やからなぁ、嫌な話でも、目を背けるのはちょっとなぁ…」

脚を止め、深呼吸。
「よしっ」
Aさんに電話を掛ける。

「お世話になっています。krmです。何か、先ほど電話を頂いたようですが」
「あー、お疲れ様です!いや、ちょっと確認したいことがありまして!」
「はぁ」
「○○日に梅田の△△で飲む件でしてね、店の予約をしておきたいんですよー!」
「はい」
「それで、△△にはコースが3つあって、Aコースは飲み放題付きで全8品、Bコースは同じく飲み放題付きで全10品、Cコースも飲み放題付きで全12品!」
「はい」
「それでね、どれにします?何コースにします!?」
「まぁ、Bコースでいいかと」
「分かりました!予約しときますね!」
「はい、宜しくお願いします」

終話ボタンを押した後、「そんなどうでもええことで、いちいち連絡してくんなよ!」。
俺は叫びそうになった。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
次回もどうでもいい話になりますが、よかったら読んでね。
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