(973)ロードバイクには乗らず、友ヶ島を歩く~フェリー乗り場の人たち~

8時。
一番乗りでフェリー乗り場に着いたが、乗船券売場のシャッターは閉まっている。
「乗船券、何時に買えるんやろか?」
「いや、まさか、欠航ってことはないよな?」
「天気ええのに、欠航はないよな?」
「でも、海は何があるか分からんからなぁ…」
考えれば考えるほど、不安になってきた。
ここまで来て、「友ヶ島には渡れませんでした。 完」は、本気で勘弁してほしい。

立ったまま項垂れていると、「おはようございます」。
そこには、青い上着を着たおばちゃん。
おそらく、彼女はフェリー乗り場の職員。
聞いてみよう。
「おはようございます。あの、教えてもらいたいんですけど」
「はい、何でしょう?」
「自分は、9時発の一便に乗りたいんですが、乗船券は何時に買えますか?」
「それはまだ分からないです。運航か欠航か、まだ決まっていないので」
「あぁ、そうなんですか」
「運航の場合、8時半ぐらいに乗船券売場を開けますので、そこのベンチで待っていてもらえれば」
「はい。分かりました。有り難うございます」

近くのベンチに腰を掛ける。
が、すぐに退屈な気分となり、「別に買うもん無いけど、ちょっと行ってみよかぁ」。
売店へ向かう。

店頭には、お菓子にお茶、ジュース。
まぁ、売店らしい、ありきたりのラインナップ…に見せかけて、懐中電灯も売ってるではないか。
友ヶ島の砲台跡には、真っ暗な迷宮があるため、「懐中電灯を持ってきてへんのやったら、ここで買っていってね」。
そういう意図だろう。
「なるほど」
ひとり頷いていると、「兄ちゃん、早いなぁ」。
売店のおっちゃんが話し掛けてきた。
「はい、友ヶ島に行くん初めてなんで、フェリー乗り場には早めに着いておきたかったんですよ」
「そうか。初めてやったらな、ええのあげるわ。読みぃ」
友ヶ島のパンフレットを手渡され、「有り難うございます」。

売店を後にし、少し離れたところにあるベンチへ。
腰を落として、ペットボトルの水を口に含んでいると、「兄ちゃーん」。
声のする方に目をやる。
知らない姉ちゃんだ。
おそらく、彼女もフェリー乗り場で働く人だろう。
「兄ちゃん、今日はなぁ、風、あれへんやろ。島も暑いで~。気ぃ付けや~」
「はい、気ぃ付けて、水分補給を心掛けますわ。ま、それはそうと、今日は混んでそうですかねぇ?人、多そうですかね?」
「今日?」
「はぁ。俺、9時の便に乗りたいんですけど、大丈夫やろか…と思って」
「今日は水曜日やろ?水曜は、そんな混むことないわ。大丈夫や思うよー」
俺の中に溜まり溜まった不安が、一瞬で消え失せた。

8時半になり、乗船券売場のシャッターが開く。
俺は先頭に並び、次に老夫婦、そして若いカップル。
「2,200円です」
「はい、10,000円」
何度も何度も不安に押し潰されそうになったが、やっと手に入れた。
友ヶ島行きの乗船券。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
もし、これを読んだ人の中で、友ヶ島観光を予定している人がいれば、分からないことはフェリー乗り場で聞いてみれば…と思います。
皆さん、話しやすくて親切な人ばかりでしたよ。
押してね。
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