(980)ロードバイクには乗らず、友ヶ島を歩く~ここには人喰いワニも首狩り族もいないのだ~

半分ほど地面に埋まった石、地面の上を転がる石。
それらを踏むたび、足の裏に激痛が走る。
「あぁ…」
足元に目をやり、「ペラペラのソールは辛いわぁ」。
そう思ったが、どうしようもない。
こんな山の中に、靴屋など無いのだ。

道端が狭い。
歩いていると、木々の間をすり抜けて行く感覚。
まぁ、自然豊かなのは結構だ。
ただ、その分、そこら中に虫が飛び回っている。
「勘弁してくれよ…」
俺は虫が苦手だ。
オオクワガタのような金になる虫を除き、虫が苦手だ。
目の前をハチやらアブが横切るたび、心臓が止まりそうになったり、泣きそうになったり。

「休みの日に、何でこんな目に合わなあかんねん…?」
歩きながら考えていると、自然と足取りは重くなり…かけたが、ふと思い出した。
「川口(浩)隊長は、今の俺以上に悲惨で、とんでもない修羅場をくぐり抜けてきたやんけ!」
隊長は、サソリや毒蛇どころか、人喰いワニや首狩り族のいるステージを探検しつづけたのだ。
それに比べると、自分が情けなくなる。
本当に情けなくなる。
もう、ハチやアブにびびっている場合では無い。
「気合い、入れなな」
「OK!」
俺の中で「水曜スペシャル」が始まった。

さて、それなりに歩き、それなりに進んできたつもりだが、目的地にはなかなか辿り着かない。
おかしい。
先ほど目にした立て札には、「→ 旧海軍聴音所跡 0.4㎞」とあったはず。
ロードバイクで走る「0.4㎞」と、山道を歩く「0.4㎞」。
同じ「0.4㎞」でも、使う体力と時間は違う。
頭では分かっている。
ただ、感覚としては、もう「2.0㎞」ほど歩いたような。
「あぁ…」
肉体的にも精神的に辛い。
俺の中で「水曜日スペシャル」が終わった。

「道、間違ったんやろか?」
不安を覚え、観光マップを広げる。
「う~ん」
一本道なので、間違えようがない。
「何やろ?景色が変わらんからやろか?同じ道をぐるぐる回ってる気がしてきたわぁ」
腑に落ちないが、仕方無く歩き続けると、右手に海が見えた。

フェイスタオルで汗を拭き、またしばらく進む。
「あっ」
少し先にボロボロの建物。
「石とモルタル?」
「戦争映画で観た南方の司令部って、あんな感じやったような」
「あれか?」
「あれ以外に無いな」
「あぁ、やっと着いたかぁ」

つづく

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