(981)ロードバイクには乗らず、友ヶ島を歩く~ここにはお化けなどいない~

旧海軍聴音所跡。
ボロボロすぎて、入るのが怖い。
お化けと遭遇しそうで怖い。
嫌な予感しかしない。
「やめとこか…」
俺は踵を返そうとした。
しかし、よく考えてみると…だ。
クソ暑い中、ガタガタの道をここまで歩いてきた。
その努力が無駄になるのも嫌だ。
簡単には引き下がれない。
ゆっくりと入口に近寄る。

扉の無い入口の前に立ち、びびりながら中を覗く。
俺ひとりなら心細いが、他に観光客がいれば心強い。
お化けに遭遇する率も一気に下がる。
「頼む…。誰か、おってくれ…」
俺の願いは通じず、人の気配0。

「そっか、ここはメインルートから外れてるもんな。訪れる人、あんまりおらんのやろ。なるほど」
と、ひとりで納得している場合ではない。
進みたくても進めない状況は、何も変わらない。

参った。
「せっかく、戦争遺跡が残る無人島に来たのに…。こんな機会はなかなか無いのに、お化けが怖くて観光でけへんとわなぁ…」
「ほんま、自分が情けないわ…」
朝っぱらから車に乗って加太へと向かい、そこからフェリーで友ヶ島を訪れた末、絶望的な気分に陥る俺…だが、「あっ」。
顔を上げる。

そうだ。
ここは無人島。
そもそも、人が住んでいないということは、死人もいない。
死人がいなければ、お化けもいない。
また、「海軍聴音所が爆撃を受け…」といった情報も無い。
そう、そもそも誰も死んでいないため、お化けなどいないのだ。

「バシッ!」
膝を叩く。
「OK!中、入ろか!」
ついに、旧海軍聴音所跡に足を踏み入れる。
まず、目に留まったのが、いくつかの落書き。
「薮野」
「曽我田」
彼らは何をアピールしたいのか?
入口のすぐ右手には、小部屋。
何となく、「ここは通信室やったんかな?」。
そう思い、覗いてみたところ、トイレだった。

少し奥へ進む。
やや薄暗いが、窓の外から光が差し込んでいるため、「これ、いらんな」。
右手に持つ懐中電灯をサコッシュに。
と、「何や?」。
足元を走り抜ける、小さな何か。
振り返り、それを目で追う。
「ギャー!!」
俺は絶叫しそうになった(しそうになっただけで、してはいない)。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
最近、「役に立たないロードバイクブログ」から、「ロードバイクとは何の関係も無いブログ」になっていますが、これからも読んでもらえると嬉しいです。
押してね。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村 旅行ブログ 国内ぶらり旅へ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする