(1014)丸亀製麺と俺。

夏のある日、「たまには大阪の方へ走りに行こかぁ」と、サドルに跨がった。
「シャワシャワシャワシャワ…」
クマゼミの鳴き声がうるさく、そして暑苦しく、「こいつら、何匹おるねん?」と思う。
うちの近所には緑が少ない。
にも関わらず、大量の「シャワシャワシャワシャワ…」。

マンションの前。
僅か1mも進んでいないのに、既に汗だく。
「あぁ…」
家に戻って水風呂に浸かり、部屋でゴロゴロしたい。
涼みたい。
ただ、先ほどフレームを清掃し、タイヤに空気を入れたのだ。
「う~ん」
走る準備をした上で、走りませんでした…は避けたい。
「しゃあないなぁ…」
嫌々、クランクを回し始める俺。

淀川大橋を渡り、少し進んだところで脚を止める。
ボトルの水を口に流すと、「もうカラになってもうた」。
まだ10㎞程度しか走っていないが、「はぁ…」。
なんとなく「帰ろかぁ」という気分に。
踵を返し、また淀川大橋を渡る。

しょぼい距離のしょぼいライド。
でも、自己嫌悪には陥らない。
俺にはお楽しみがある。
「あかんわ。にやけてきたわ」
帰りに尼崎を通るのだ。
三和商店街に寄ってホルモン焼きを買い、それを食べながら酒を飲む。
昼間から、ちびちびと。
「いやぁ、いいねぇ」

日差しが強く降り注ぐ中、汗まみれになって三和商店街へ。
サドルから降り、ハンドルを軽く押しながら、店と店の間、人と人の間を歩く。
「あのコロッケ、美味そうやなぁ」
「ここの唐揚げ弁当も、久々に食いたいなぁ」
店頭に並べられた魅力的な食べ物。
誘惑されまくる。
が、同時に「俺には食われへんやろ」とも思う。
確かに、今の俺は食が細い。
暑さのせいで、食が細い。
買ったところで、食べられないかも知れない。
「う~ん」
結局、手ぶらで家に帰った。

水風呂に入り、部屋でゴロゴロ。
「天国やわぁ」
そんな気分になり、ついさっきまで暑い中を走っていたことが、随分とアホらしく思えた。
「ほんま、ダラダラするんが一番の幸せやで」
スマートフォンを片手に、特に興味も無いニュースを読みながら、ダラダラ…。
ダラダラ…。
ダラダラ…。

と、不思議なことに食欲が湧いてきた。
考えてみると、朝から何も食っていない。
「何か食いに行こかぁ」
「酒も飲みたいしなぁ」
サイクリングジャージではない方のジャージに着替え、財布をポケットに突っ込む。

外に出ると、また鬱陶しい暑さ。
「シャワシャワシャワシャワ…」
マスクを外し、隣町の飲み屋街へと歩く。
途中、喉が渇き、自販機で水を買おうと財布を開けたところ、「しくじった…」。
金もカードも、サイクリング用の財布に入れたまま。
普段使っている財布に移し替えるのを忘れていた。

財布の中を漁る。
やはり、札は1枚も無い。
小銭はいくらかあったが、1円玉や5円玉も含めて600円ほど。
「所持金600円で何が食えんねん…?」
急に心細くなった。

「家に戻ろか…」と思う。
ただ、面倒くさい。
ならば…と、低価格で食えるものを考える。
「うん。ここはひとつ、丸亀製麺やな」

近くのショッピングモール、フードコートにある丸亀製麺には、普段から通っている。
「ぶっかけ」または「かけ」に、「半熟玉子天」。
これだけで十分に美味い。
また、俺の中には、「丸亀製麺では500円以上使わない」というルールがあり、その条件を満たせるのも良い。
本当にね、安くて美味いものがあるのに、わざわざ高いうどんを注文する意味が分からない。
それなりの値段を払うなら、ゆっくりと食えるうどん屋へ行く。

さて、そこら辺の小学生レベルの所持金を持ち、丸亀製麺へ。
「ぶっかけ」と「半熟玉子天」を食って、腹も心も満たされた…わけだが、参った。
ちょっと聞いてほしい。

この記事を書くにあたって、ネットでメニューを確認したところ、「値上げしてるやんけ!」。
これまでの王道、俺の王道は、もう500円未満では食えない。
現実、510円になっている。
参った。
たかが10円ちょっとでも、俺のポリシーに反する。
僅かな金のために、ポリシーは曲げたくない。
まぁ、そもそも、400円でも500円でも600円でも僅かな金…と思えなくはないが、何か気に入らない。
今後、丸亀製麺とはどう向き合わなければならないのか?
それを考える時が来たと思う。

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