(37)ニヤニヤしながらサイクリングする俺は、普通に気持ち悪い奴だ。

子供の頃から、ひとりでニヤニヤすることが多い。
ひとりで、「イヒヒッ」と笑うこともよくあった。
ゴロゴロしながら漫画を読んでいると、「あんた、気持ち悪いで」と母親に指摘され、我に返る。
ツボにはまる場面があると、「イヒヒッ」と笑い、2、3ページ前に戻り、もう一度読んで笑う。
そんなことを繰り返していると、「我が子ながら、さすがにやばい」と思われるのは、仕方がない。

以前、街をうろついていると、向こうの方からおばさんが歩いてきた。
何の変哲もない日常の光景である。
俺は、何の関心もなく、何も考えず、そのおばさんとすれ違ったが、一瞬、おばさんのTシャツが目に入った。
でかいパイナップルの絵が前面にプリントされたTシャツ。
「え?」と、振り返りそうになる。
「数あるTシャツの中から、おばさんは、何でこのTシャツを選んだのか?」。
「何故、パイナップルを主張したいのか?何の意味があるのか?」。
そんなどうでもいいことを考えていると、「どうでもいいことを考えている自分自身」が可笑しくなり、自然とニヤニヤする。
まわりから見て、俺はさぞかし気持ち悪いやつだろう。

「俺は気持ち悪い人間です」と、繰り返し自己紹介するようで、若干の抵抗もあるが、俺は思い出し笑いもひどい。
仕事中、みうらじゅんのラジオを聴いて、ニヤニヤする。
数日後、ジョギング中に思い出し笑いをする。
やはり、すれ違う人の目から見て、ニカーっと笑いながら走る俺は、かなり気持ち悪い奴だろう。
「何を笑ってんねん?」と因縁をつけられて、殴られる懸念がある。

最近、ショックを受けたことがある。
今まで、自覚が無かった。
どうも、俺は、ロードバイクに乗っている時もニヤニヤしているようだ。
ロングライドの後、足に気だるさが残る経験は、何度もあった。
ただ、頬骨が痛いと感じることもある。
ロードバイクに乗って、頬骨が痛くなることなどありえない。
どう考えてもおかしい。

サイクリング中は、走ることに集中して、完全に無心になる瞬間がある。
また、体は動き続けているが、頭は暇なので、深く考え事をしている時もある。
この時、仕事のことや人生の小難しいことを考えると、脳が研ぎ澄まされているからなのか、いい案が浮かぶことが多い。
逆に、リラックスしすぎて、自然にどうしようもなくくだらないことを考えることもある。
多分、これが思い出し笑いの原因だろう。
これからは、ロードバイクに乗っている時は、仕事や人生についてのみ考えることにしよう。

※この記事は、2019年2月5日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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