(38)暑さ対策が裏目にでた。ビンディングシューズの殺人的な異臭。

セミがうるさい。
死にたくなるような暑さの中、やめておけばいいのに淡路島に行った。
汗をかきすぎて、グレーのサイクルジャージが黒くなり、体にはりつく。
基本的に、サイクルジャージは汗を吸収して熱を逃がすものだ。
普段着のTシャツでこのような経験をしたことは何度もあるが、サイクルジャージでは初めてだった。
すごい不快感である。

帰り、時間に余裕があったので、コンビニで十分な休憩をとり、水分補給を心がけた。
少しリフレッシュして、家に向けて走るだすが、途中、腹が痛くなって苦しい。
水分を補給しすぎたようだ。
休憩以外で、トイレを借りにいちいちコンビニに寄るのも面倒になり、冷たい水をガンガン飲まず、口をうるおす程度に飲むことにした。

淡路島から明石に渡り、いつも休憩場所に決めているコンビニに寄る。
休憩中、コンビニ前の海を見ながら、「まだ40㎞もあるのか…」とぐったり。

走り出してから、何か少しでも暑さを軽減する方法はないかと考えたが、裸で走るわけにもいかないし、なかなかいい案が浮かばない。
家に近づき、晩飯を買って帰ろうとコンビニに寄った。
買い物をする際は、いつもグローブをはずして入店する。
その時、ふと思った。
「グローブはずしただけでも、すーすーして気持ちがいいもんだな」と。
暑い中走るとグローブのせいで手が蒸れまくる。
ただ、だからと言って、グローブをはずしてロードバイクに乗るわけにはいかない。
ハンドルのブラケットを握る際、汗で手がすべる懸念がある。
危険だ。
「だったら、ソックスなら?」。

次の日から、ソックスを履かず、ビンディングシューズを直穿きすることにした。
足元が少し涼しい気持ちになる。
「これはいい。俺は天才じゃないか」と思う。

夏が終わる頃、玄関から異臭を感じる。
下手したら、近所から苦情がくるレベルの臭さである。
異臭を放つものは、ビンディングシューズだった。
自分の靴がこんなに臭いと思ったのは、生まれて初めての経験で、自分のしでかしたことがどれだけ愚かなことなのか実感した。

「ありがとう、ビンディングシューズ。ロードバイクの楽しさを教えてくれたパーツのひとつだったよ、君は。さよなら」と語りかけ、捨てようと思ったのだが、それはそれでもったいない気もする。
ソールからクリートをはずして、シューズを洗濯することにした。
ビンディングシューズを直穿きしてはいけない。
したら、鼻が死ぬ。
いい勉強になった、ある夏の日。

※この記事は、2019年2月5日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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