(270)難波へ。そして、Y’sロード大阪ウェア館へ-1

「最悪やぁ…」と独り言をこぼす。
当初の予定では、軽く1時間近く武庫川サイクリングロードを走る。
だったが、走り終えて大人しく真っ直ぐ帰ればいいのに、新しく買ったヘルメットの効果だろう。
「もっと走りたい!」という気持ちになり、予定より距離を伸ばすことにした。
かと言って、行きたい所など思い浮かばない。
まぁ、特に用事も無いが、なんとなく阪神尼崎駅の方に向かって走り出す。
そこで、途中、雨が降ってきやがった。

引き返し、橋の下で雨宿り。
買ったばかりのヘルメットを濡らしたくない気持ちもあるが、帰ってからフレームやホイールの清掃をするのが面倒くさい。
ロードバイクで走ると、砂埃で徐々に汚れていくものだし、気持ち良く走るためには定期的にチェーンの清掃もしなくてはいけないのだが、雨の中で走ると、定期的では無く強制的に清掃しなくてはいけなくなる。
「面倒くさいの嫌やわぁ」。
雨が止むのをしばらく待つ。

バックポケットからスマートフォンを取り出し、「評判のいい餃子屋情報でも調べよかぁ」と思ったところ、不在着信通知と留守電が入っているではないか。
「うさんくさい電話は勘弁してやぁ」。
そう思いながら留守電を再生すると、「近鉄難波営業所です」。
来た…。
ついに…。
先日、伊勢志摩サイクリングフェスティバルに向かうため、サイクルトレインやホテルの予約をしたが、営業所側での手配が終わったようだ。
「チケットをお渡ししますので、近鉄難波営業所にお寄り下さい」。
「OK!行くよ!今すぐ行くよ!」という勢いの俺。
ただ、雨が止まない…。

20分ほど経ち、「小雨やな。これぐらいやったらええか」。
家に向かってクランクを回す。
風呂に入り、着替えてすぐに家を出る。
そして、難波行きの電車に乗った。
電車の中でひとり退屈なので、今日のライド(30㎞程度だが)の反省会を開く(脳内で)。
天気予報をちゃんと確認せずにスタートしたのは、反省点だ。
うっかりしていた。
遠出する時は天気に対して神経質になるのだが、この日は近場なので「なんとでもなるわ」という低い意識でサイクリングに出掛けた。
ダメだ。
それ以外に反省することは無いが、気になる点としてヘルメット。
買ったばかりのヘルメット、LAZER BULLET2.0 AF。
見た目もギミックも最高だと思うし、走ってて特に支障も無かったのだが、慣れの問題なのか。
前に使っていたヘルメットに比べると、俺自身が馴染んでないと言うか、フィット感が少し違うと言うか。
走ってて、本当に感覚的なことだが、髪とヘルメットの摩擦を感じたような。
「なら、対策を考えよう」。
考えた。
「とりあえず、サイクルキャップを被ってからヘルメットを被ったら解消するんちゃうかな?」と思い、難波に行ったついでに、堺筋本町のY’sロード大阪ウェア館に寄る。
そう決めた。

難波駅の改札を出て、近鉄難波営業所へ。
「伊勢志摩サイクリングフェスティバルに参加するKRMです。サイクルトレインとホテルのチケットの件で伺いました」。
「あぁ、どうぞ、お座り下さい」と、眼鏡の担当者さん。
机の上に、俺を含む3人分のサイクルトレイン、ホテル、バスのチケットを広げ、ひとつひとつ説明してくれた。
次に、書類を広げ、当日我々が利用する上本町駅における参加者の集合場所、自転車を積む車両と人が座る車両の案内、全体的なスケジュールなど聞く。
一応、担当者さんの説明に対し、理解したら相槌を打つ意味で「はい」と言おうと心掛けたが、鼻炎のせいで、「はひ」「はひ」。
俺はみっともない。

営業所を出て、スマホの時計を見ると、30分も経過していた。
会議でもないのに、酒無しでこんなに長く人の話を聞くのは久々だ。
「さてと」。
サイクルキャップを買いに、俺はとことこ堺筋本町に向かって歩く。
難波から堺筋本町まで地下鉄が走っているのはわかっているが、大阪市内で生まれ育った俺からすると、「電車を待ったり乗り換えたりする時間がもったいないわ」と感じる距離。
歩いて行ける距離。
繁華街の中で中国語を耳にしながら、俺はとことこ歩いた。

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