(275)ロードバイクに限って(?)、他人の喜びも自分の喜び。-1

友人に彼女ができても、「はぁ、良かったね」。
別れても、「あっ、そう」。
そんな感じで、俺は、自分の幸せと他人の幸せ、自分の不幸と他人の不幸を分けて考えている。
まぁ、冷たい人間なのかも知れないが、本音として「どうでもええわ」と感じていることに、無理に喜んだり、自分のことのように悲しんだりするのは、嘘くさくて嫌だ(自分自身が)。
ところが、最近、他人事なのに自分のことのように嬉しく感じたことがある。

ある昼過ぎ、自転車友達のAさんからメールが入った。
「メール不精のあの人から…?珍しいことがあるもんやな」と思いながら、スマートフォンの通知を開いてみる。
「新しくロードバイク、買いました」。
反射的に「おめでとう」の言葉を発しそうになった。
事務所でひとり。

Aさんはロードに乗り始めて3年か4年。
もともとは体を動かすのが好きなタイプのようだが、初対面の時は、暇さえあれば酒を飲む毎日を送っていたそうで、「えらい太った人やなぁ」という印象を受けた。
以後、何度か一緒に飲む機会があり、話している中で、「この人、ダイエットする切っ掛け、運動する切っ掛けを探しているんやなぁ」と感じた。
「俺も前は同じような境遇でしたけど、今はジョギングしたりロードに乗ったりしてますわぁ」。
軽くそう言うと、Aさんはロードに興味を示した。
そして、いつの間にか、休日のロングライドはもちろん、ローラー台と業務用の扇風機を買い、家でもトレーニングするハマリっぷり。
体重もみるみる落ちて、Aさんは別人レベルでスリムになった。

「今度、カーボンフレームを買おうかと思ってるんですよ」。
去年ぐらいからか、一緒に酒を飲むと、Aさんの口からその言葉を聞くようにった。
「Aさんが今乗ってるのはアルミでしょ?自分は、カーボンもアルミを経験してますが、カーボンはカーボンの良さがあるし、アルミはアルミの良さがありますね」。
「それを知りたいんですよ。感じたいんですよ」。
なるほど。
Aさんは、ネットなりスポーツ自転車雑誌を見て、知識としてカーボンの魅力を知っているが、経験が無い。
「数年前の俺と同じやな」と思いながら、「カーボンの場合、こけてフレームが破損したら、一発で終わりの可能性がありますが、Aさんの場合、ロード自体の初心者じゃないから、その懸念は無いですね」。
「はい。それでですね、SPECIALIZEDのフレームで考えてるんですよ」。
「お、いいじゃないですか、スペシャ。有名なプロチームにも供給してますよね。予算はどれぐらいで考えてるんですか?」。
「300,000ぐらいですね」。
「おー、そこそこのん買えそうですね」。
そんな会話を交わした記憶がある。

「ついに、Aさんもカーボン買ったかぁ」。
「そやそや、どんなん買ったか聞いとこ」。
俺は返事をする。
「スペシャの何ていうロードを買ったんですか?あと、色も教えて下さい。ネットで見てみたいなぁと思いまして」。
しばらくして、またもや、メール不精のAさんからメールが入る。
「CANYONです」。
「え?スペシャはどこいってん?」とつっこみそうになったが、冷静になってメールを最後まで読む俺。

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