(183)サイクリング中に奮い立たせてくれる、俺の中の石井 智宏。-1

クソ暑い中、クランクを回す。
長距離を走り、 本音としては、ロードバイクを輪行バッグに入れて電車に乗りたいけど、我慢してペダルを踏む。
ロードに乗っていると、辛いことも経験するのだ(それも含めて魅力だが)。
「もう、俺、やばい」と思った時に、自分を奮起させるために、思い返すのが、プロレスラー。
俺の記憶の中にいる、数々の名プロレスラー。

子供の頃からプロレスを観ていて、一番、影響を受けたのは、前田 日明選手。
今では、「滑舌が悪すぎる人」というイメージを持つ人も多いだろうが(俺も賛同するが)、全盛期は俺にとって魅力の塊だった。
「予定調和のプロレスを競技化しましょう。プロレスに対して、格闘技やスポーツとしてアプローチをしましょう」と考え、それは多くのファンに支持された。
凶器攻撃も軍団抗争も無く、ベビー(善玉)もヒール(悪玉)もいない、競技としてのプロレスをする前田に、新時代の到来を感じた人も多かっただろう。
ただ、本人の性格的なものか、すぐにキレるので、威勢よくマイクパフォーマンスをする一般的な極悪レスラーよりも数段おっかなく、実はプロレスラーらしいプロレスラーだった気もする。

他にもいる。
天龍 源一郎選手。
この人も、「滑舌が悪すぎる人」というイメージを持つ人が多いと思うが(賛同するが)、俺にとっては輝いていた。
「王道」と呼ばれた全日本プロレスという団体で戦っていた頃、天龍はやりきれない気持ちを抱えていた(俺の推測)。
「全日マットを、もっと活性化したい。でも、ぬるいファイトをしているのが現状だ。変えなければ」。
↑俺が、なりかわって言うとね(何故、俺がなりかわれるのかわからないが)。
天龍は、口では勝負しない。
勝負するのは、リングの上のみ。
入場時、そのフラストレーションを抱えながら、うつむいてリングに上がる。
全てに悲観したような顔立ちだ。
だが、リング上で相手と向き合い、「このマットの空気を変えてやろう」と、怒りをぶつけるようなファイトを繰り広げる。
彼のプロレスは、心理とファイトが直結し、それを観ていた俺(中学生)は、十二分に凄みを感じた。

大仁田 厚選手。
試合後、燃え尽きて、何を言ってるかわからない+同じ言葉を繰り返し語る、口が達者なプロレスラーだが、俺は彼が裸に見えた。
生きざまをそのまま表現できる、さらけ出すプロレスラー。
「痛いなら痛い」。
「悲しいなら悲しい」。
それをストレートに伝える。
エリートになりそこねて、うだつのあがらない不遇な時代を過ごしたが、「技も無ければ、金も無い。有名なレスラーを雇うこともできない」。
そんな中から、彼は自分なりの戦い方を考えた。
「まともなプロレスでは、他団体とは勝負にならない。ファンにも支持されないだろう。なら、体をはって下手物路線で行こうぜ!」。
↑俺がなりかわって言うとね。
リング上で有刺鉄線バットを振り回したり、体をはって電流爆破を含むデスマッチを積み重ねた結果、熱狂的なファンを獲得した。
それにしても、電流爆破は何かとすごい。
爆破のリスクを負うスポーツや競技、格闘技が、他にあるだろうか?
完全に常軌を逸している。
最近の、変に若作りしている大仁田には魅力が乏しいと思うが、30年前は、それはもう、何から何まで凄かったのだ。
もし、この記事を読んでいるあなたが、「自分が弱者である」と悟った時には、大仁田を参考にして、「自分なりの戦い方」を考える切っ掛けにしてほしい。

さらに、長州 力選手。
藤波 辰爾選手。
佐山 聡選手(初代タイガーマスク)。
武藤 敬司選手。
何故か、滑舌悪い率は高いが、いちいち説明するのが面倒になるほど、プロレス界には魅力あふれる選手がいた(いる)。
そんな中、今の俺にとって、「ロードに乗って辛いなぁ。目的地まで行くの放棄しようかなぁ」と心が折れかけた時、気持ちを奮い立たせてくれるプロレスラーナンバー1は、石井 智宏選手だ。

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