(194)高知を走る~ローカルルール~

朝の5時に起き、風呂に入って足をリフレッシュさせ、寝ぼけた頭を少しでもマシな状態にする。
のんびりと着替え、のんびりと出発の用意をして、ホテルをチェックアウト。
ホテルから駅まで近かったので、ロードバイクは輪行バッグに収納したまま、町を歩く。
「おはようございます」。
上品な雰囲気のおばちゃんから、挨拶をされた。
「どこの町にもいる、毎朝、散歩している人なんだろうなぁ」と思いながら、俺も挨拶を返すと、「その、背負ってるバッグは、楽器ですか?」。
参ったなぁ。
嘘でもいいから、「はい、ウッドベースです」とでも言えば、おばちゃんの期待に応えられるのか?
会話がスムーズに流れて、結果オーライなのかもしれない。
ただ、不誠実だ。
「このバッグには、自転車が入っています。車輪を外して、コンパクトにしました」。
俺は一礼し、安芸駅に足を進める。
朝の静寂が、戻った気がした。

昨夜、ホテルでこの日のスケジュールを検討したが、結論として、「電車で移動できるところは電車で移動しよう」となった。
Nさん、Tさんが鳴門で鯛釣りを終え、徳島市の南側、中田(ちゅうでん)駅に車で着くのは、おそらく午後3時~4時。
それまでに、俺も中田に向かわなくてはいけないが、更に早起きしてロードで走ると、辛いし足も痛い。
電車を利用しようにも、安芸から中田まで電車が走っていない。
一部、線路が無い区間がある。
そこだけロードで走るが、走った後、電車に乗っても乗り継ぎにミスがあると、次の電車まで1時間待ちになる。
大阪や神戸の感覚では、ちょっとありえない環境なのだ。
「それならば」と、早めに動こう。
朝っぱらから、ごめん・なはり線の安芸駅に向かったのだ。
ちなみに、ごめんなはりとは、後免駅と奈半利駅をつなぐ路線。
ナイスネーミングである。
高知のどの辺りを走っているかは、身近にいる鉄オタの方に聞いて下さい。

こじんまりした券売機で切符を買い、輪行バッグを背負いながら、えっちらおっちら2階のホームに上がる。
しばらくすると、電車が入線した。
電車を待っていて不思議だったのが、他の利用客は電車の後方にある入口付近に並んでいたこと。
俺ひとり、前方の入口から電車に乗ると、運転手と目が合った。
あまり、歓迎されていない感じ。
「俺、なんか悪いことしたんかな?」と、本気で悩んだ。
後で知ったのが、乗るのは後方の入口からで、降りるのは前方の扉、出口から。
「知らんがな!」と絶叫しそうになった。
バスでもそう。
「整理券?何それ?」。
電車もそう。
「乗る時、降りる時に、扉の横にあるボタンを押して開閉?」。
あっちこっち行くと、「ローカルルール、知らんがな!」と叫びたくなる。
俺は、終点である奈半利駅のひとつ手前、田野駅で降りる。
が、「無人駅?」。
「切符は運転手に渡す?」。
「知らんがな!?」。

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