(308)ロードで行く和歌山旅行~孝子峠~

大阪府と和歌山県の境目にあたる孝子峠。
既に何度かここを峠越えした経験があるので、自分なりに踏ん張りどころはわかっているつもりだ。

大阪側から走ると、ほぼ平坦に感じる峠への道は、実はちょっとした登りになっている。
と言っても、気にならない程度。
景色を楽しみながら進んで行けば良い。
まぁ、この時点で18時半。
辺りは真っ暗で、楽しくなかったが。
ハンドルに固定したVOLT400で数m先は見える。
ただ、少し頼りない気もする。
そんな時に、追い抜いて行く車のヘッドライトに助けてもらい、感謝。

「ほんまに和歌山に着くんか?何時間かかってんねん?」と思いながら脚を回す。
が、この記事を書いている今の俺も、「ほんまに和歌山に着くんか?いつ着くねん?構成がめちゃくちゃになってへんか?大阪を走ってるだけの記事になってへんか?」と、不安を感じている。

「さぶぅ!」。
急に冷たい風に包まれた気がする。
家からここまで感じたことがない冷たさ。
日が暮れて、気温が下がったからか。
徐々にではあるが、そこそこ高いところまで登ったからなのか。
この日、俺の服装は、冬物のアンダーウェアの上にジャケットを羽織っただけ。
「ウインドブレーカーも持って来たらよかったな」と後悔したが、家に取りに帰るわけにもいかない。
また、グローブにも問題があった。
俺がはめていたグローブは、フルフィンガー(指全体を覆う)ではなく、ハーフフィンガー(指の中間から上がカットされている)。
出発前から寒いのはわかっていた。
が、和歌山まで信号が多いので、信号待ちで暇をしている時、スマートフォンで写真を撮ろうと、敢えてスマホが操作しやすいハーフフィンガーを選択したのだ。
これまた、後悔してももう遅い。
指先が凍える。

山の中にぽつんと佇む駅、南海電車の孝子駅に着いた。
少し休憩しようとサドルから降りる。
寒さで、体がガタガタ震える。
確か、道路を挟んで駅の向かいに小さな集落がある。
しかし、暗くてよくわからない。
明るい時間帯に見ると、風情があるのだが。

「それにしても寒い。早く先に行こう」。
駅からほんの少し進んだところで、短い距離だがやっと峠らしい登りになる。
その後すぐ、一気に下り和歌山市内へ。
気合いを入れて走りだそうと思ったが、「ちょっと待てよ」と邪心が語りかけてきた。
「危ないって。暗い中で下るんは」。
「ちょうど駅の前におるんやから、ここから電車乗って和歌山に出たらええやん」。
「その方が楽やで。寒いし」。
邪心に負けそうになる。
が、「理性を保つんだ、俺」。
スマホアプリの自転車NAVITIMEをチェックすると、和歌山市内の予約したホテルまで、たったの7㎞ほど。
「ここまで来て輪行は無い。あと7㎞、走るで」。

ダンシングで駆け上がる。
そして、何かスリップの原因になるような物が落ちていないか路面を確認しながら、慎重に下る。
初めてここを下った時は、トラックにびゅんびゅん追い抜かれ、恐怖を感じた。
が、この日は正月休みだからか、トラックがあまり走っていないようだ。
気持ちに余裕が生まれる。

景色に目を移すと、綺麗な光。
和歌山大学前駅とその周辺。
イオンやニュータウンが見える。
これまた、初めてここを下った時は工事中だったが、ずいぶんと開発されたものだ。

そんなことを考えていると、峠を下り終えた。
ホテルまであと少し。
早く風呂に入って、早く酒を飲みに行きたいと思う。

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