(316)Stravaで悲惨な記録を叩き出した、大阪城ライド-2

昼間は観光客で賑わっていたのかも知れないが、俺が着いた17時前の大阪城は、随分と人が少なそうに見えた。
「人が少ないんやったら、車に気を付けて外周を走るより、中を走った方が快適かも」。
そう思い、大阪城公園に足を踏み入れる。

大阪城は、子供の頃から何度も訪れた。
小学生の低学年だったと記憶しているが、たまたまテレビで観た「まんが 日本の歴史」が豊臣秀吉の回で、俺は魂を揺さぶられまくった。
立身出世の権現のような秀吉の人生は魅力的で、一般的には醜男扱いの顔立ちも、俺にとっては、愛嬌があり親しみやすく思えた。

大阪城は、その秀吉の象徴だ。
当然、「行ってみたい」と思うのが普通で、母親に相談したところ、即OK。
「子供の知的好奇心を満たすものは、前向きに与えよう。連れていこう」という方針の母。
そう言えば、「はだしのゲン」を読んで「原爆ドームに行ってみたい」と言った時も、すぐに叶えてくれた。

今ある大阪城天守は、昭和に入り市民の寄付で建てられたものだが、「どうも気に入らんな」と子供ながらに感じていた。
壁が白い天守閣は大阪城ではない。
存在感はあるのだが、「豊臣秀吉が建てた黒壁じゃないと、しっくりけえへんよな」。
今もそう感じるが、だからと言って嫌いではない。
子供の頃から見てきた今の天守閣に、愛着を感じるのも本音だ。

まぁ、そもそも、今の大阪城は、大阪の陣の後に徳川が建てた城なので、秀吉の面影100%というわけではない(むしろ、0%に近い?)。
が、「それにしてもすごいよなぁ」と感じるのは、天守閣ではなく、堀と石垣。
大阪城の主役は、天守閣ではないのです。
堀と石垣。
これは、機会があれば、あなたの目で見て確めて下さい。

話をサイクリング中の俺に戻す。
10年ほど前に、大阪城で走った時は、近所の高校だろうか?
陸上部が短距離の練習をしていたので、「ガンガン走るにはちょっと邪魔やな」と思ったが、この日、彼ら(彼女ら)はいない上に観光客も少ない。
大阪城公園内は、基本、車は走れない。
俺は、ついに我が儘に走れる環境を手に入れたわけだ。
が、景色を満喫して写真を撮る…を繰り返していると、なかなか前に進まない。
「Stravaのタイム、エグいことになってるやろな…」。
そんなことを、今さら気にしても、もう遅い。

大阪城公園は結構広い。
周辺に、駅が4つも5つもある広さだ。
景色を見て適当に走っていると、空が徐々に薄暗くなり、自分がどこにいるかわからなくなった。
ジョギングしている人とはちょくちょくすれ違ったので、「現在地を聞こか」と思ったが、それはそれで抵抗がある。
「とりあえず天守閣まで行って周辺の建物を見たら、東西南北が把握できるわ」と思ったが、途中から未舗装の道になると記憶していたので(いい加減だが)、Googleマップ起動。

JRと地下鉄の森ノ宮駅方面に出たい。
中央大通りに出たい。
今回のサイクリングの目的は大阪城だが、実は、もうひとつある。
帰りに、唐揚げ弁当を買いたいのだ。
前と後ろのライトを点ける。
そして、弁当屋に予約の電話をかけて、俺は大阪城を後にした。

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