(141)高松ライド。たまには観光しようかと、帰り道、志度寺に寄る。-1

鳴門市から高松市に向けて走った5月15日。
この日も、釣り目的で鳴門に行くNさんの車に乗せてもらい、夜明け前に到着。
太陽が顔を出すと、Nさんは釣り道具を持って、渡船に乗り、俺はロードバイクのサドルに股がった。

半眠りの頭では、「鳴門からどこに行こうか?」と考えるより、既に何度も行っている高松を目的地にすると話が早い。
厳しい傾斜も無く、道も把握している高松は、俺にとって都合がいいのだ。

高松までの道のりは、主に平坦路を進み、ちょっとした峠を越えて、次の町へ…を繰り返す。
基本、海が近い道だからか、景色がいい箇所もあるが、不愉快な風向きを感じる時もある。

鳴門から、約60㎞ちょっと。
その日も高松市内に入り、高松城(玉藻公園)まで走った。

高松城。
高校時代、友人と高松に旅行した際、ここに寄った記憶があるのだが、あまり細かいことは覚えていない。
当時、俺は日記をつけていたので、実家に帰った時にでも、読み返したいと思う。

社会人になってからも、友人と高松に旅行をした(ロードバイクではなく)。
あるビジネスホテルに宿泊し、チェックアウトしてから、ホテルの前で観光MAPに目を通していると、ふいに声をかけられた。
きちっとした服装で、随分愛嬌のある顔立ちのおっちゃんだ。
「どこか行きたい所がありますか?」。
「うまいうどん屋に行きたいなと思いまして」と答えたところ、「それなら、うどんバカ一代ですよ!」。
「この辺りで、一番ですよ!うどんバカ一代!」
「是非、うどんバカ一代に行って下さい!」
「うどんバカ一代は、本当に美味しいんですよ!」
「うどんバカ一代に行ったら、間違いなく満足してくれると思います!」
わずか2~3分の会話の中で、「なんぼほど『うどんバカ一代』言うねん?」と、俺はあっけにとられた。
そこまでうどんバカ一代を推すのならと、「後で寄ってみますわ」。
俺は返事する。
「でしたら、ホテルの自転車を利用して下さい。お貸しします。うどんバカ一代で食べた後、返しに来てくれたらいいので」と、おっちゃんから「死んでも、うどんバカ一代に行ってほしい」という熱意を感じた。
正直、「この人、何者やねん?」、「うどんバカ一代の回し者か?」と一瞬思ったが、その熱意を大切にしようと、自転車(ママチャリ)を借りた。
ちなみに、このおっちゃん、後でわかったのだが、俺が宿泊したホテルの支配人かなんかの偉いさんだった。

ママチャリに乗って、うどんバカ一代を目指そうとしたが、俺には、ちょっと寄り道したい所があった。
栗林公園である。
高校の時も訪れたが、ここは美しい庭園で、金と時間に追われ、汚された自分を癒したいと思い、もう一度その景色を見たかったのだ。

ホテルから南の方角に栗林公園がある。
それほど遠い距離ではないので、なんとなく進んでみたが、辿り着かない。
「感覚だけで移動してもあかんなぁ」と、地図を広げたその時、目の前に自転車が止まった。
そして、「道に迷って困ってるんですか?大丈夫ですか?」と声をかけられる。
目の前の1台の自転車には、旦那、奥さん、子供が無理矢理3人乗りしている。
声の主は、奥さんなのだが、「お前の方こそ大丈夫か?」と言いそうになった。
俺は、大人として、その発言をなんとか踏みとどまり、「えぇ、栗林公園に行きたいのですが」と言うと、親切に道順を教えてくれた。
俺は、手元に地図があったのに。

土地柄なのだろうか?
「高松の人は親切だなぁ」と思う。

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