(214)淡路島バーガーを目指して200㎞走り、得た自信。-2

次は道を間違えず、ゆっくりと山を登って行く。
「あの傾斜を越えれば、淡路島バーガーの店がある。道の駅うずしおがある」。
そう自分に言い聞かせながら、クランクを回す。
本当は、「nav-u(自転車対応のカーナビ)を見たら、現在地も目的地までの距離も把握できる」と頭ではわかっている。
だが、「この先、50mぐらいで目的地に着く」と、自分なりのおまじないにすがりつかなくてはやってられない。
そんな気分になっていたのだ。
「あと少し。あと50mや」がけっこう長く、立ち止まって脚を休めようとも思ったが、ここは淡路島。
知らん人だが、ロード乗りを何人も見掛ける。
「彼らに、俺の休んでる姿を見られたくない」と、変に意地を張り、死にかけでクランクを回し続けた。

登りの傾斜が緩やかになり、そして下り。
登りの傾斜が緩やかになり、そして下り。
それを何度か繰り返し、見えてきた。
今度は、知らん大学の宿舎ではない。
道の駅うずしおだ。
走りながらnav-uを見ると、移動距離100㎞は超えていたので、復路も合わせると200㎞走破が可能となる。
結果オーライだが、「計算通りだぜ…」と自分に嘘をつきつつ、なんとか目的地に着いた。

適当に、そこら辺の柵に、ロードバイクをチェーンでくくりつけ、道の駅のトイレを借りる。
トイレに向かう際、土産物売り場を横切り、その時、ふと、そうめんが目に入った。
「あ、そういや、淡路島のそうめんは、細くてうまいとNさんが言うてたわ」。
土産用のそうめんを買う俺。
ちなみに、後日、このそうめんを渡すため、Nさんが経営する飲食店を訪れた。
そして、表面に脂が浮く鳥スープに、そうめんをぶちこんで食べさせてもらったところ、めちゃめちゃうまかった上に、「こんな食べ方があるんか!?」と、激しく胸を打たれた。

道の駅の施設を出て、すぐ。
確か、左手だったと思う。
淡路島バーガーの屋台?店?があった。
メニューを見ると、1,000円以上するハンバーガーセット。
これはパス。
俺の感覚では、高すぎるのだ。
俺は、焼肉屋に行っても、「上」や「特上」は頼まない。
安く提供されるものを好む。
まぁ、この辺りが、俺の器の小ささと言うか、セコさなのだが、ここでも安いハンバーガー単品を注文した。
「安くても、うまいもんはあるんや」と、念じながら口に含んだところ、「これはこれで、めちゃめちゃうまいやん!」。
絶叫しそうになった。
「値打ちあるわぁ」。
「ここまで走ってきて、ほんまに良かったわぁ」。
幸せに包まれて、帰路に着いたのだが、すぐに不幸になる俺。
帰りは帰りで、登りがあるのだ。
もう、うんざり。
「登り嫌い…。ここらでさぼろう…」と思っても、他のロード乗りとすれ違うため、意地でもクランクを回さなければならない。
いろいろ疲れる。
知らん人の前で、格好つけても仕方ないのにね。

山岳コースが終わり、平坦な道をすいすい走る。
「そろそろ、どっか適当な所で休憩しよ」。
コンビニを探すが、無いようなので、海沿いの道の脇でサドルから降りた。
俺は地べたに座り、目の前の海を眺める。
「あぁ、俺が竹野内豊やったら、絵になるのになぁ」。

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