(310)ロードで行く和歌山旅行~ワカヤマ冨士第一ホテル~

和歌山市駅周辺。
わびさびの夜景を見た後、ホテルに戻る。
狭いシングルルームに輪行バッグ。
より狭く感じる。
「明日早く起きなあかんし、さっさと寝よかぁ」。
テレビをつけ、ベッドに入る。
念のために言っておくが、俺は幽霊が存在すると信じているので、怖さを和らげようとテレビをつけたのだ。
「今日は疲れたわぁ」とウトウト。
そこですんなり寝ればいいのに、何の気なしにテレビに目をやると、人の顔をした魚がコミカルに動くアニメ。
「あぁ、これが崖の上のポニョかぁ」。
「あれ、斉藤和義の曲が流れてきたぞ」。
眠りに入るのを中断し、テレビに集中する。
ちなみに、後で調べてわかったが、「夜明け告げるルーのうた」という作品だった。

「あかんわ。寝よう」。
そう自分に言い聞かせたが、最後までがっつり見入ってしまった。
アラームをセットし、目をつぶる。
が、アラームが鳴る前に目が覚めた。
時計を見ると、1時間ちょいしか経過していない。
環境が変わると眠れない、不必要な神経質さを持つ自分を恨む。

もう一度、目をつぶる。
小学生の時に保険の先生が言っていた。
ベリーショートのおばはん。
「早く寝ることを心掛けなさい。眠れなくても、目をつぶって横になる。それだけでええから」。
プロ野球ニュースを観てから寝るのが日課の俺にくれたアドバイス。
すっかり忘れていたが、このタイミングで思い出した。

再度、眠りに入る。
が、「ガタン」という音で飛び起きた。
寝返りをうった際、ベッドの横に立て掛けていた輪行バッグを蹴り倒したようだ。
「あかん。ホイールが破損してたらどうしょう…」。
寝てる場合ではない。
俺は、ちょっとしたパニックに陥った。

結局、トータルで2時間ほどしか眠れなかった。
「もう、開き直った方がいいかな」。
外はまだ暗いが、このままホテルを出て、帰り道に墓参り。
墓に着く頃には明るくなっているだろう。
それとも、眠れなくてもゆっくり体を休め、朝の10時にチェックアウト。
どっちがいいのか考えていると、6時前になった。
「6時半に食堂が開く。おにぎり食おう」。
もう少しホテルに滞在する。

8階の食堂に向かう。
給食のおばちゃんを彷彿させる食堂のおばちゃんに、朝食無料券のカードを渡す。
朝食1,000円当たり前のビジネスホテルに比べると見劣りするが、サービスでコーヒーとパン無料のビジネスホテルには余裕勝ち。
朝食代金を払うことなく、数種類のおにぎりと玉子焼き、ちょっとしたおかず、サラダ、味噌汁、ジュースが提供される。
そんなワカヤマ第一冨士ホテルに、心の中で万歳三唱。

数種類のおにぎりの中から、シンプルに海苔を巻いただけの物をひとつ、鰹節おにぎりをふたつ、サラダや味噌汁も適当に取ってテーブルにつく。
本気を出せばもっと食える自信はあるが、この後、峠を越えて70㎞ほど走らなくてはならない。
走っている最中、食い過ぎで気持ち悪くなるのは嫌だ。
自分なりにセーブしながら食う。
「なんなんやろう?この質素な旨さは」。
妙な有り難みを感じさせてくれる朝食になった。

部屋に戻り、ゴロンとベッドに寝転がる。
スマートフォンを充電しながらいじってダラダラしたいところだが、コンセントとベッドまで距離があり、スマホが手に届かない。
仕方がないのでテレビを見ていると、10時近くになった。
チェックアウトだ。

ホテルの駐車場で輪行バッグを広げ、フレームにホイールをはめて出発。
和歌山と大阪の境にある孝子峠に向けて走り出したが、し~ん。
朝の和歌山市駅周辺も、人がいない。
非常事態宣言が発令されたのだろうか。

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