(344)ロードバイクで伊勢を走る~2日目出発~

待ち合わせは朝の8時半。
俺が泊まる丸二ホテルに、Sさんが迎えに来てくれる。
「寝起きで体が動けへんわぁ」といった状態で走るのは嫌なので、5時過ぎに起床。
「こんな時間に起きても、やることあれへんやんけ」。
「早く起きすぎたなぁ」。
少し後悔したが、寝坊で遅刻したり、ダルそうに走るよりも、早目に起きでしゃきっとした方が良いに決まっている。
「よし、目を覚ますぞ」と1階に降りて自販機に向かう。
缶コーヒーを買うためだ。

フロントの近くに設置されたサイクルラックに目を向ける。
俺のロードバイクはぶら下がっていた。
「パクられてへんな」と安心し、缶コーヒーを買って部屋に帰る。
エレベーターを出ると、朝の伊勢。
天気がいい。
ぼんやり景色を見ていると、「今日は雨降れへんな」。
また安心した。
昨日は、雨の中を走って散々だったので。

部屋にいても暇すぎて、8時15分にはチェックアウトを済まし、ホテルの前でSさんを待った。
少し寒いが、天気がいいので気分もいい。

しばらくしてSさん到着。
「おはようございます」。
「おはようございます」。
今日のスケジュールについて、ざっくりと聞いて、「まず、牡蠣小屋に向かいますが、予約した時間には余裕があるので、のんびり走りましょう」。
ふたり、クランクを回しだす。
「やっぱり、天気がいいって最高やな」と感じながら、Sさんの後ろを走っていると、「カチン」と音がした。
何かが地面に落ちた音。
「何やろ?」と思って辺りを見た後、目線を前に戻すと、「あ!」。
「Sさん、ちょっと待って下さい。サイコンが、どっかふっとんでいきました」。

伊勢市駅の周辺は、この辺りで一番栄えているところだろうが、大阪や神戸に比べると、落ち着いた雰囲気。
交通量も少なく走りやすい。
数分で宇治山田駅周辺まで進み、Sさんの誘導で若干込み入った道を走る。
「さすが地元の人やな。道を知ってるから、すいすい進むわ」と感心する俺。

徐々に緑が近く感じる。
「郊外に出たか」。
信号待ちの間、のんびりした景色を楽しんでいると、前でSさんがソワソワしているではないか。
スマートフォンを見ながら、「う~ん」、「この先は橋が無いのか」と一人言。
後ろでSさんを見つめ、「雲行きが怪しいな」と思っていると、「道を間違えました」と。

道を間違えても、俺としては少し嬉しい。
自然の中に民家がある景色、落ち着いた雰囲気を満喫して走りたい。
「少し戻りますね」とSさん。
また走り出す。
山を背景に小さな家がちょこちょこと並び、その中を通る細い道をのんびりと。
橋が見えてきた。
大阪市内で生まれ育った俺にとって、とても綺麗な川が流れている。
「ちょっと、止まっていいですか?」。
Sさんに声を掛ける。
そして、景色を眺めて、写真を撮った。

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