(295)武庫之荘あっちゃん弁当に向かって走る。

仕事の合間に、または帰りに弁当屋に行くことがある。
ほっかほっか亭、かまどや、ほっともっと。
それぞれに好みのメニューがあり、どこが一番と決めるのは難しいが、唐揚げ弁当に限定した場合、一番は明確だ。
それは、日本亭。

たまに時間があれば、大阪の松屋町までロードバイクに乗って、日本亭で唐揚げ弁当を買う。
美味しく、蓋が閉まらない大きな唐揚げにかじりついてご飯を食べていると、「なんてジャンクなんだろう」と幸せな気持ちになる。
ただ、大阪の日本亭まで距離があるので、帰って食べる頃にはご飯が冷めていて…。

「なんか他にないかな?近場に『これや!』という唐揚げがある弁当屋は」とネットで調べたところ、あった。
阪急武庫之荘駅近くの「あっちゃん弁当」という店が。
日本亭同様、蓋が閉まらないレベルの唐揚げ弁当がウリのようだ。
「近いうちに行こう」と思いながらも、月日が経つ。

「めちゃめちゃ評判の良い焼鳥屋があってね、予約して、今度一緒に行きませんか?」。
知人のNさんに誘われて訪れたのが、今年の秋。
武庫之荘駅の南側にある谷口さんというお店で、「こんな肝刺し、食ったことないわ!」など、感動が連発する経験をする。
本当に神がかっていた。
のだが、それはそれとして、入店前、待ち合わせ時間には余裕があり、谷口さんの近くをうろついたところ、真横にあったのだ。
あっちゃん弁当が。

「あっちゃん弁当の唐揚げ、近いうちに食わなあかんな」。
そう誓って、今日に至る。
わけだが、世間ではクリスマスだ、イヴだ、イヴイヴだと賑やかになっても俺には無縁。
早目に仕事を切り上げて家に帰りロードに乗った。
向かう先は武庫之荘。

地図(食べログ)を見ながら「うちからロードで30分かからん程度の距離やな」と判断し、お店に電話をして予約。
グローブを指にねじ込み、ビンディングシューズを履いてダイヤルを回し、「さぁ、行くで」。
走り出してから、ヘルメットを被っていないことに気付いた。

武庫川を渡り、武庫之荘駅のある尼崎市に入る。
橋の下には、普段よく走る武庫川サイクリングロードだが、橋の上から見る景色はいつもと違う感じがする。

予約した時間より少し早く着くペースで走っていたので、途中からインナーローに切り替え、のんびりと山手幹線を西に進む。
「歯医者の角を左に曲がってと」。
軽くクランクを回し続けると見えてきた。
あっちゃん弁当。

「5時に唐揚げ弁当を予約していた者ですが」。
店員さんに声を掛けた。
店内の時計に目をやると、4時50分。
「ちょっと早いけど、まぁええよな」と思っていると、すぐに厨房から男性店員が出てきた。
「今、揚げているところなので、すぐに出来上がります」。
1~2分で「お待たせしました」。
ビニール袋の中をちらっと見ると、唐揚げがでかすぎて蓋が閉まらない容器。
「おー、いいねぇ」。

サドルに股がって、来た道を帰る。
ハンドルを握る左手首にビニール袋を通し、弁当の容器がなるべく傾かないように気を使って走ったが、ダメだった。
ドロップハンドルの下部分がビニール袋と接触するため、どうしても傾いてしまう。
帰って中を確認すると、やっぱり…。

蓋を開ける。
期待した通りのでかい唐揚げが5つ。
かぶりついてみると、「おー、でかいだけじゃなくて、しっかりとした旨味もあるなぁ」と感じた。
うん、うまい。
そのまま食っても十分うまい。
容器には、醤油と辛子も入っていたが、不要だ。

唐揚げをかじり、ご飯を口に含む。
それを繰り返して、ご飯は食いきったが、唐揚げは2つ残った。
「残った分は、酒のつまみにしよう」。
もう、「パーフェクト」としか言いようがない。

と言うわけで、今、唐揚げを食いながら焼酎を飲んでいる。
あ、それと、この記事を書いている。

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