(335)ロードバイクで伊勢を走る~伊勢志摩ライナー~

8時5分、阪神の武庫川駅で電車に乗る。
ドア付近にスペースがあったので、そこに輪行バッグを置き、なるべく他の乗客に迷惑を掛けないよう気を配る。
30分ほどで上本町駅に着き、乗り換えのために下車。
少しほっとする。
車内でひとり、「迷惑になってないやろか?」、「大丈夫やろか?」と思い悩んだため、精神的に疲れてしまった。
既に。

「ちょっと早く着きすぎたな」。
「予約した特急の時間まで、30分ほど待たなあかんわぁ」。
ホームの脇にある椅子に座ってぼけっとしていると、Sさんからメールが入った。
「待ち合わせの松阪駅に向かって、今から家を出ます」と。
「こちらも予定通り特急に乗って向かいます」。
実感が湧いてきた。
俺は伊勢に行くのだ。

「今日のスケジュールは、松阪駅でSさんに会って松阪城を観光した後、唐揚げ弁当を食う。その後、田丸城に寄って伊勢うどん。の後、戦国時代村で安土城」。
「俺の趣味が反映されすぎてて、城系がやたら多いけど、50㎞も走らんやろ」。
「それより、雨が気になるな。予報では、時間によっては小雨みたいやな」。
脳内会話をしていると、俺が乗る9時13分発の伊勢志摩ライナーが入線。

輪行バッグを担いで乗り込む。
「おー、すごいやん。さすが特急。さすがデラックス車両」。
唸ったね。
大抵の特急車は、通路を挟んで二人掛け席と二人掛け席という配置になっていると思うが、デラックス車内は違う。
二人掛け席と一人掛け席。
俺は最前列の一人掛け席を予約。
「一番前やと中間の席よりスペースがあって、輪行バッグを置きやすいやろう」という判断で。

読み通り、最前列はやや広目のスペース。
「よしっ」と、輪行バッグを置いてみる。
と、ダメだった。
輪行バッグが通路にはみ出し、乗客が通行する際、妨げとなる。
また、不幸なことに、輪行バッグを動かす度に自動扉が反応。
最前列であることが裏目に出た。

「もう、どうしょうもないわ」。
開き直って寝ることにした。
が、眠れない。
後ろの席のおっさんがうるさい。
最初、電話で誰かと話しているように感じたが、どうもそうではないらしい。
一人で何かを語り、一人で「そうやな」と相槌を打っているようだ。
「仕方ないよな」。
寝るのは諦め、おっさんの独り言を聞きながら、窓の外に目をやる。

自動扉が開き、ワゴンを押した車内販売の姉ちゃんが入ってきた。
「お姉さん、ビール下さい!」。
そう声を掛けそうになったが、この後、Sさんと合流してサイクリング。
「飲酒運転はあかんよなぁ」。
自分を律した。
せっかくの旅行なのに、何か素っ気ない。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする