(342)ロードバイクで伊勢を走る~伊勢うどん~

伊勢に来た楽しみのひとつが、伊勢うどん。
ネットで調べてみると、絶賛する人もいれば微妙な感想を書く人もいて、「好き嫌いがはっきりする感じなんかな?」。
そんな気もしたが、何事も経験だ。
伊勢うどんを食べてみたい。

不人気なこのブログを通して知り合った伊勢市在住のSさんに、「伊勢うどんを食べたいんです」とリクエストしておいたところ、「ここに行きましょう!」とSさんに提案してもらったのが、「まめや」というお店。
伊勢戦国キングダムからの帰り、とりあえず俺はホテルに戻り、Sさんは車を駐めに家へ向かい、「時間を合わせて、後からまめやで合流しましょう」となった。

ホテルに入り、フロント近くにあるサイクルラックに目をやると、俺のロードバイクはパクられていない。
OK。
ほっとしながら、部屋で少しのんびりしていると、待ち合わせの時間が近付いた。
まめやに向かう。

Googleマップを頼りに歩いていると、不安になってきた。
18時過ぎなのに、伊勢の街は薄暗い。
お店が少ない。
そして、何故か民家に明かりが灯っていない。
この辺りの人は、寝るのが早いのか。

線路沿いの道を歩く。
電車が走る時は一瞬明るくなるが、基本、やはり暗い。
不安は増してくる。
住宅街に足を踏み入れる。
相変わらず薄暗い。
人が歩いていない。
「頼むから…、人間に会わせて」と思いながら角を曲がった時、中年夫婦と鉢合わせ。
本気でびっくりした。
「びっくりしたやんけ!どつくぞ!」と反射的に思った。

少し明るく広い道に出てる。
歩いている人はいないが、ちょくちょく車が走っていてるのを見て、やや安心。
「多分、この辺りやな」。
歩きながらGoogleマップと街並み、交互に目を移すと、見つけた。
まめやさん。
お店の前でぼっと突っ立つ。
数分してSさんが来た。

「伊勢うどんって庶民的な食べ物やろから、きっと薄汚れた食堂みたいな雰囲気の店やろなぁ」と勝手に決め付けていたが、入店して「お!」となった。
明るく清潔感があり、ちょっといい感じの店内。
カウンター席に座り、メニューに目を通す。
「玉子伊勢うどんがいいよ」。
「うどん鉢を満たす黒いタレは、きっと濃い味だと思うよ。それを玉子がまろやかにしてくれるよ」。
俺の回りを飛び交う精霊が、そうささやいた。
決めた。

「すみません。玉子伊勢うどんください」。
店員のおばちゃんに声を掛ける。
と、向かいに座るSさんが、「僕は伊勢うどんのミニで」。
俺は「マジで!?」と言いそうになる。
昼間、唐揚げ弁当を食った際、Sさんの食いっぷりはなかなかのもので、「この人 、結構ガツガツ食えるタイプの人やな」という印象を持ったのだが、「ミニ?」。
「このクラスの人がミニってことは、伊勢うどんってかなりボリュームあるんかな…」。
また不安になってきた。

数分後、玉子伊勢うどんが目の前に置かれる。
ボリュームは普通。
心配して損した。
まず、真っ黒なタレを少し口に含むと、意外とどぎつい味ではなく、むしろ優しい味。
麺は太い。
「讃岐うどんのようにコシがあるんかな?」と箸でつかんでみると、ほろっと千切れた。
柔らかいうどんのようだ。
次は、千切れないように優しく箸で挟み、口へ。
「おー」。
柔らかすぎて、口の中でとろける感覚。
「何やこれ!うまいし、食感が独特すぎてすごくいい!」。

数年前、香川で本場のおいしい讃岐うどんを食ったが、コシの強さが最高で、「うまい!」と思いながらも「食ってて顎が痛い…」と感じた。
「伊勢うどんは、その逆に突き進んでいるな」。
「これはこれでアリやな」。

別盛りのネギと天カスをうどんに入れる。
味と食感を変えるのに、ちょうどいい。
箸が進む。

「大盛にすればよかったよな」。
食べ終わった後、素直にそう思った。
「世の中には、こんな種類のうまいうどんがあったんかぁ」。
「俺が伊勢に住んでたら、毎日食うわぁ」。
俺は満たされた。

この不人気ブログを読んでいるあなたに、もし伊勢へ行く機会があれば、是非食べてみて下さい。
伊勢うどん。

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