(360)サイクリングがてら、豚まんを買いに行く~死ぬかと思った~

ロードバイクのタイヤは細い(当たり前だが)。
側溝やマンホール、路面の亀裂に気を使わなくてはならない。
スリップする懸念があるからだ。
もちろん、信号や交通量も確認しなくてはならないので、前を向きながら走っているが、やや下にも目線がいくようにしている。
これが俺の基本。

ただ、自分でも良くないと思っているのだが、疲れまくってる時や気が緩んだ時に、数秒間ではあるが下を向いて走っていることがある。
ガックリしてるポーズと言えば、伝わりやすいだろうか。

この時、「551の蓬莱で働いている俺」を想像しながらクランクを回していた。
結構、俺なりにリアルな想像をし、それに没頭していたからか、悪い癖で下だけを見てガックリした姿勢になりそう。
になったその時、真横(右)に黒い車が走る。
視界の隅に見えた。
黒い車は、車道の左端を走る俺の進路に割り込み、急停車。
「下を向かんで良かったわぁ」とほっとしてる暇など無い。
3m先に車。
「あ、このままでは衝突するやんけ!」。
俺は必死にブレーキレバーを引いたが、止まれるかどうかわからなかったので、進路を変更する。
「右に逃げるか、左に逃げるか」。
右(車道)は車がびゅんびゅん走っているので、事故を誘発する懸念がある。
とっさの判断で、左、歩道に逃げることにした。

歩道は誰も歩いておらず、俺も事故に巻き込まれることもなく、「耐えた…」。
心からそう思いながら、黒い車の横を通り過ぎる。
チラッと見ると、タクシーだった。
お客さんを降ろすため、歩道に寄って停車したようだ。
が、「俺のこともちょっとは考えてくれよ。心臓、止まりそうになったやんけ…」。

「無事で良かったわぁ」。
興奮状態から、「何事も無かった…」。
安心感に包まれる。
「五体満足で帰れそう。うん、それが何よりやで」。
悟る。
が、その後、だんだんむかついてきた。
タクシーの運転手に対してだ。
「下手したら、俺、怪我してたかも知れんやんけ。ちょっとは配慮しろよ」。

家に着いてからも、ムカムカ。
俺は「普段から温厚であろう」と心掛けているのだが、自分が何らかの被害に遭う、または遭いそうになると、「くっそ」と熱い怒りが込み上げてくる。
今まで、夜中にジョギングしていて車に轢かれそうになった経験がある。
「下手したら、俺、死んでたか大怪我してたよな」と思うと、「運転手も同じ目に遭わせたい」。
「人を殺しかけてんから、それなりの覚悟をしろよ」。
「このボケには、殺意が芽生えるぜ」。
そんなダークな感情に支配される。
今回のタクシーの運転手に対しても、それに近い恨みを感じながら、豚まんを箱を開けてひとくち。

「うまいわぁ。少々冷めてもうまいわぁ」。
「やっぱり蓬莱の豚まんは最高やな」。
そして、ビールをゴクッゴクッ。

豚まん2個はあっという間に食い終わり、次は餃子10個。
阪急百貨店の大阪王(餃子屋)で買ったラー油を少し垂らして、1個1個味わって食う。
「これもビールに合うわぁ」。

笑顔を取り戻した俺。
「タクの運転手なんか、どうでもええわ」。

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