(363)初めて走る「尼っ子リンリンロード」-3

この日、俺が走った尼崎市の南側は、イメージとしては「ゴミゴミした感じなんやろなぁ」だったが、実際に走ってみると、大きな工場が多く、とても整理された印象を受けた。
まぁ、運河沿い、川沿いを走って見えた範囲ではあるが。

ルートマップを確認しようとクランクを止める。
「とりあえず、このまま川沿いを走って、橋の所で一度上に上がって、また川沿いのルートやな」。
走り始めると、煉瓦の道。
タイル、板、そして煉瓦。
「つくづく嫌な路面やな」と思う。
板は板で別の怖さを感じるが、タイルと煉瓦の様に縦方向に繋ぎ目、隙間がある道が俺はすごく嫌いだ。
雨が降った後に走って、些細なことでスリップ、転倒した経験があるので、「不親切やなぁ」と思う。
まぁ、「尼っ子リンリンロード」という名前の通り、子供さんや家族が自転車で走ることを想定しているのだろう。
ロードバイクは、あまり歓迎されていない気がした。
「もう、路面には期待せずにゆっくり走ろう」。

川沿いの道を進んでいるので、ちょくちょく橋にぶち当たるが、橋の下をくぐり抜ける道が用意されているケースもあった。
「これは助かるわぁ」。
しかし、難関が待ち受けていた。
阪神間を貫く43号線。
43号線を越えて向こう側に行きたい。
向こう側にも、尼っ子リンリンロードの続きが用意されている。
が、信号など無い。
ただただトラックが高速で走る怖い道路。
「どっから向こうに行けばええんやろ?」。
考えようとしたが、「もうここまででええやろ」と判断した。
このまま進んだところで、阪神尼崎。
俺にとって、特に珍しくもない。
「後はルートを無視して好きに走って帰ろ」。
そう決めた。

「ここまで来たからには」と考える。
「うん、弥次郎兵衛やな」。
阪神尼崎の隣の駅、出屋敷近くの弁当屋。
以前、サイクリングがてらに寄ってみて天むすを買ったが、「これはうまいわ!」となり、次の機会をうかがっていたのだ。
ちょうどいい。弥次郎兵衛は、ほっともっとやかまどやのようなチェーン店とは違い、メニューがスタイリッシュではない。
しかし、それが良いところ。
「いかにもうまそう!」ではなく、「いかにも普通そう」と思わせといて、「うまいやんけ!」なのだ。
まぁ、この時点では、俺はまだ1回しか行ってないけどね。

弥次郎兵衛に向かうのはいいが、とりあえずだ。
「どうやって43号線を渡ればよいか?」。
基本、車を優先する道路なので信号が少ない。
信号が無いからと言って渡れば、死ぬ可能性がある。
「一度、車道に出てから渡ろか」と思ったが、都合良く歩道橋があった。
「車道で信号待ち(横断歩道は無い)するより、歩道橋の方がさっさと向こうに渡れるんちゃうか?」。
そう判断し、ロードを押してスロープを登ったが、これってかなり情けない姿だ。
ロード乗りとして。
おばちゃんとすれ違い、顔を背けるしかない俺。

出屋敷の近くはそれなりに土地勘があるので、狭い道をちょこまか走って弥次郎兵衛に到着。
入り口を開けてわざわざ入店せずとも、道沿いにテイクアウト窓口しか無いこのお店は、ロードで来るには最高。
盗難の懸念が無い。
ロードのサドルを腰に立て掛け、ショーケースの上の天むすに手を伸ばそうとしたが、「なんかうまそうなもんがあるな」。
玉子にケチャップ。
お店のおばちゃんが窓口から顔を出したので、「これってオムライスですか?」と聞いてみると、「オムレツです」と。
「じゃあ、これとご飯も下さい」。
帰ってから天むすを食うつもりだったが、オムレツをおかずにご飯を食おう。

出屋敷から旧国道を走って甲子園に向かう。
「旧」だが「国道」なので、たいそうな道と思わせつつも普通の道。
北を走る2号線や南を走る43号線に比べると交通量が少ないのが救いだ。
とまぁ、「旧国道」「旧国道」と書いたが、尼崎では「琴浦通り」というそうだ。
帰ってからネットで見て、初めて知った。
「そういや、俺、ジョギングで琴浦神社の前を走るけど、その琴浦か」。
ひとつ勉強になった。

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