(370)なにわ自転車道を走る~トラウマの淀川へ~

前方に人や自転車を見掛けると、一度徐行して軽くクランクを回す。
「こんなんでも時速27㎞かぁ。楽してる割にはまぁまぁスピード出てるなぁ」とサイコンを見て思う(行きは)。

右手に堤防と草むら。
左手に川。
橋をくぐり抜け、さらに進むと橋。
そして、堤防、草むら、川。
「あれ?同じところを行ったり来たりしてる?」。
何度もそんな気分になった。

武庫川サイクリングロードの場合は、最低でも300回は走っているため、景色を見て「折り返し地点(宝塚市役所)まで、残り何㎞ぐらいやな」と想像することができる。
しかし、なにわ自転車道は無理だ。
そもそも、トータルで何㎞なのかさえ忘れてしまった。

橋の下でギターを弾きながら熱唱している若者2人。
「聴いててこっちが恥ずかしくなるよ」と思ったが、「あ、そういや、前は七輪で肉焼いて食ってる兄ちゃんもおったな」。
「太極拳をしてるおっちゃん、おばちゃん達も見たような」。
なにわ自転車道は、近隣の人にとってパラダイスですね。

進むたびに出口(堤防の上に上がるスロープ)を見掛ける。
「以前、ここを走ってた時、どの出口から上がったかな?」。
「忘れてもうた」。
「確か、工場が見えたような。ここから見えるのはマンションやから、まだ先やな」。
ゴールまで何㎞なのか、そもそもゴールがどこか?
「ほんまに大丈夫か、俺」と不安を感じながらも、クランクを回し続けた。

少し距離はあったが、前方にジョギング中のカップル。
並走しているので、俺からすると道が塞がれた状態。
「どういう感じで追い抜こか?」と考えながら、彼らの後ろ姿を見ていると、妙にトリッキーな動き。
ワイパーのように手を振っている。
右へ左へ。
「何してるんやろ?」と不思議に思ったが、その直後、理解した。
羽虫の区間に突入したのだ。
「ほんま鬱陶しいなぁ」と同時に、「もうこの季節になったんかぁ」。
うん、もう鬱陶しい季節なんだ。

「あ、多分、ここやわ」。
俺の中のゴール地点(折り返し地点)が見えた。
「工場やな。うん、OK」。
ほぼ感覚。
帰ってからStravaをチェックしたところ、なにわ自転車道における俺の中のスタートから俺の中のゴールまで、一応15㎞ほど走ったみたい。

江口橋という出口のスロープを上がり、押しボタンをボチ。
信号が青になるのを待つ。
「大阪にこんな信号、あったんやな」と、逆に新鮮な気持ちになった。

青になる。
信号を渡り、目の前の土手を上がろうとしたが、左足のビンディンがうまくはまってくれない。
右足だけで上がって行き、目の前に淀川。
「おー、淀川サイクリングロード」。
「久々やなぁ」。
「広いよなぁ。川も道も」。
「自然を感じながら走る。環境としてはすごくええわ」。
ただ、4匹の野犬に追いかけまわされた記憶は消えないので、「ここはパス」。
走りたい欲は湧いたが、できることならドーベルマンでも護衛につけないと走る勇気は出ない。

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