(379)日帰りで鳴門へ~高松牟礼線アップダウン地獄~

目眩がする。
山の斜面に白い線が見えた。
徐々に上へ向かっている。
「あれはガードレールか?」。
「ガードレールの向こうには、やはり道があるのか?」。
「俺はそれを走らなくてはならないのか?」。
「登らなくてはならないのか?」。
「幻と思いたい」。

「屋島を山頂に向けて上がって行くのは嫌だが、半島を縁取るように、海沿いの道を走るのは快適だろう」。
そう思い、俺は高松牟礼線に進路を取った。
が、勝手に「平坦な道である」と判断した俺は、愚かだった。
後々、後悔する。

「道の駅 源平の里むれ」で休憩した後、ちょっと進んでひとつ目の交差点を右に曲がる。
高松牟礼線に入った。
山が近くに見えるが、山にたどり着くまで辺りは田畑。
ぽつぽつと民家。
交通量は少なく、信号は無いに等しい。
「快適すぎる」。
「なかなかスピードも出てるな」。
調子こいて手放し運転しようとした時、野良猫が飛び出してきてかなり焦った。
しばらく走っていると落ち着きを取り戻し、「このまま快適にゴールを迎えられる」。
そう勝手に決め付け、また余裕をかました。

道は山の右側に回り込み、登り。
「まぁ、山の周辺を走るんやから、ちょっとは登りもあるやろ」。
下り。
そして、登り。
「まぁ、山の周辺やからわかるけど…、これで最後やんな?」。
右手に海が見え、一瞬、心が洗われた気もしたが、また登り。
俺の心は、どす黒くなった。

「ホーホケキョ」と鶯が鳴いている。
木に囲まれ、自然を体全体で受け止める。
「生きてるって感じがする(ハート)」。
ではなく、また見えてきた。
俺とって、悪意に満ちているとしか思えない登り坂。
死にかけダンシングで駆け上がる。
「死にたい…」。

アップダウンを繰り返しながら、俺は考える。
「この道は悪質だ」。
「ダウンさせといて、すぐにアップ」。
「悪質すぎる」。
「ダウンの箇所をコンクリートか何かで埋めて、平坦な道にした方がいい」。
「高松市に要望を出す奴はおらんのか?」。
真面目に考えた後、何か虚しさが残った。

高松牟礼線は、約20㎞。
距離だけ考えると、大したものではない。
が、走っていて「許して…」と何度も思った。
冷静になって考えると、俺はアップダウンの道に慣れていないのだ。
2月に伊勢に行った時も、最初は景色を見ながら余裕をかましていたが、途中から「許して…」だった。
何故、そうなったのか?
何が原因か?
俺は薄々気付いている。
「シフトチェンジをしないから」だ。
では、何故、シフトチェンジをしないかと言うと、「いちいち面倒くさいから」だ。
ちょっとした指の運動を面倒くさがり、適したギアを選択しない俺は間違っている。
どう考えても。

目眩がする。
遠くの方に、何か白いものが連なっている。
「ガードレールか…。いや、あれは幻…」。
ではなく、現実だった。

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