(390)ロードお遍路の予行演習~熊谷寺の風車~

細い田んぼ道をクネクネと曲がっては進み、田畑に囲まれた集落の細い道をクネクネと曲がっては進み、たどり着いた「四国霊場第6番札所 安楽寺」。

ロードバイクお遍路予行演習の「山門はくぐらないルール」に従い、着いて5秒で次のお寺に向かおうとした。
が、やはり「境内を一目見ておきたい」と思うわけで、山門の脇、車の進入路から覗いてみる。
「突き当たりが本堂かな?あと、大師堂があるはずやけど、どこやろ?」。
キョロキョロと中を覗いていると、俺のすぐそばにお寺の職員だろうか。
知らない人が立っていたので、「俺、100%不審者に見られてるわ」と思いサドルに跨がった。

また田舎道を走る。
俺からすると、鳴門の中心部からしてなかなかの田舎だが、鳴門から西へ進めば進むほどグレードアップし、景色も更に良い。
信号はほぼ無く、また、車もほぼ走っていないため、道を独占した気分。
最高だ。

1㎞ちょっとだったと思う。
すぐ「四国霊場第7番札所 十楽寺」に着いた。
正確には、山門の前に着いた。
山門の脇に境内を覗くスペースが無く、ルールに従い次を目指す。
十楽寺の滞在時間は、本当に一瞬だった。

鳴門の渡船乗り場をスタートし、1番札所からここまで、自然を身近に感じられる環境の中を進んだが、「四国霊場第8番札所 熊谷寺」は「自然を身近に…」ではなく「自然そのもの」。
視界は、青い空と緑で埋め尽くされる。
人通りは0、走る車も0に近い。
辺りは無音。

「仁王門が見えた。手前まで行こか」。
俺はサドルから降り、ロードを押して歩く。
「カラカラ」。
「…」。
「カラカラカラ…」。
「…」。
足を止める。
「何の音?」。
静けさの中で、急に「カラカラ」と音がしたかと思うと途切れ、また音がしたかと思うと…。
辺りを観察しつつ、また音がする方向に目をやると、ペットボトルで作った風車。
「おー、これはどうやって作ったんやろ?」。
興味深く見詰める。
と、次は「ブブーン」「ブーン」。
振り向けばクマバチ。
「俺、虫あかんねん…」。
仁王門の前まで、逃げるように早歩き。

黒と灰色。
えらく歴史を感じる仁王門。
自然の中にぽつんと佇む姿が心を揺さぶってくる。
「すごい。俺、こういうの大好き」。
「なのだが…」。
「ちょっと…変」。
普通(俺の拙い知識や経験上)、仁王門をくぐるとそこには境内(のはず)。
しかし、熊谷寺の仁王門をくぐると、そこには道路。
もう一度言うが、仁王門をくぐると、境内ではなく、いきなり道路。
当たり前のように、車が横切ることは可能。
「このお寺、どういう構造?」と思い、仁王門から道路の向こうを覗くと、いくつかの施設が目に入った。
「あれは塔か?」。
俺はハンドルに手を掛けて、歩きながら門をくぐる。
「自分で決めた、ロードお遍路予行演習におけるルールに違反するけど、このお寺はイレギュラーな構造っぽいしええやろ」。

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