(405)阪神しまなみ海道ポタリング~甲子園浜、西宮浜と~

鳴尾浜の入り口にたどり着き、スロープを登る。
普段なら「登り、大嫌い」だが、この時はシチュエーションが違う。
「俺、高いとこあかんねん…」。
体力や脚力とは別の部分で不安感じつつ、クランクを回す。

スロープを登り終え、「さぁ、楽できるわぁ」と橋を目にやると、まだ少し登りが続く。
鳴門で山の中をアップダウンしたことを思い出すと、「こんな坂、しょぼい」。
ダンシングで「1、2、1、2」。
高い位置から景色を見るのが怖いので、なるべく下を向いて走ったが、視界の隅に流れているのは感じる。
少しの度胸を振り絞り、脚を止めて俺が住む街に目を移すと、なかなか綺麗に思える。
「普段、上からのアングルで見ることなんてないもんなぁ」。
「あー、多分、あの先やわ。最近行ってへんけど、あの先にある中華屋、味も量も値段も最高やで。また行かなあかんわぁ」。
しみじみと思い出す。
「北京料理 松鳳」を。

鳴尾浜の隣、甲子園浜に着いた。
「初めて来たわぁ」。
独り暮らしを始めて15年ほど経つのに、近所の甲子園浜に一度も足を踏み入れたことがなかった俺。
かなり前(10年ほど経つか)、飲み屋で隣に座った大学生と話す機会があった。
「H2(あだち充の漫画)を読んで、印象に残るシーンが甲子園浜やったから、この前行ったんですよ~」言われ、「あー、それ、めっちゃわかるわぁ」と返したが、実は甲子園浜に行ったのは、令和2年5月23日。
この日が初めてである。

高速沿いに西に向かって歩道を進むと、また橋へのスロープ。
登りきると、甲子園浜から西宮浜への橋だ。
先日、チヌを釣り(俺は見学)に来た西宮浜。
「あのフナムシだらけの岩場、見えるかなぁ」と思い目を凝らしたが、見えなかった。
「まぁ、ええわ」。
坂を下り、平坦路を進む。
ちなみに、いちいちシフトチェンジするのが面倒に感じ、平坦な道でもインナーで走ることに。

次。
西宮浜から芦屋浜へ。
なのだが、この阪神しまなみ海道、少し癖がある。
橋の両側に入り口、スロープがあって、橋の両側を自転車で走れる…という環境ではない(深江浜まで行って理解した)。
阪神しまなみ海道の東、つまり西宮の鳴尾浜からスタートした場合、橋へのスロープも歩道も右側にしかないのだ。
橋を下り左側通行の平坦路を走っていて、「どこから上がればええねん?」と不安になり、道に迷い、少し無駄な距離を走った次第です。
「ほんま、不親切やなぁ」。
「神戸方面から走るんが正解なんやわぁ」。
愚痴りながら、再びクランクを回す。

高さに慣れてきたのか、景色に目をやる余裕ができた。
「芦屋かぁ」。
神戸や明石に行く際、いつも芦屋を経由して走るが、阪神しまなみ海道から見るアングルは初めてだ。
「北の方には豪邸で暮らしてる人おるんやろなぁ」と別世界を想像する。
「あ、そう言えば」と、俺が20代の頃、職場に芦屋から来てる人がいたことを思い出した。
金持ちキャラとして随分いじられていた印象がある。
仕事に対し真面目で、人柄も良く冗談にも対応できる人だったので、「おい、芦屋の金持ち」と呼ばれても上手に捌いていたような。
「あの人はもう50前なんかな?」。
「今も芦屋のどこかに今も住んでんのかな?」。
「ま、名前、忘れてもうたけど」。
俺はクランクを回す。 

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