(410)また西宮浜へ走り、釣りの見学~丸高中華そば~

辺りを見回しフナムシがいないことを確認し、適当な岩にちょこんと座る。
俺から見て傾斜の下、水面に近い辺りで釣竿を手に立ち尽くすNさん。
5mほど距離はあるが話し掛けた。
「また今回も餌は海老ですか?」。
「はい。ただ前回使った琵琶湖産の海老は売ってなかったので、今回はちょっと高い海老を買いました」。
「ほぉ、生きてるやつですよね?やっぱり買った餌はその日に使いきるもんなんですか?」。
「基本的にはそうですね。まぁ、家に持って帰ってかき揚げにして食べても美味しいと思いますけどね」。
ぼんやりと「釣りの餌を食うのは抵抗あるよなぁ」と思いながら、景色に目をやる。

「あの個性的なマンションは、芦屋浜やな。阪神しまなみ海道を走った時に見たけど、目立ってたよなぁ」。
ボトルの水を口に含み、目線をNさんに戻す。
と、「釣れました」。
「えらい小さい魚ですね」。
「イワシですわ」と言い、リリース。
「何㎝か測らなくてよかったんですか?」。
「その必要は無いですね」。

海老をカップに入れ、手で蓋をして振る。
気絶させてから水面に飛ばし、Nさんはウキを見る。
俺もウキを見る。
が、ちょくちょく視界の隅を蜂が飛び回り、そっちの方が気になってきた。

1時間ほど経ち、「そろそろ帰りましょ」。
Nさんは帰り支度を始めた。
「krmさん、この後時間ありますか?ラーメン食べに行きませんか?」。
「行きましょう。あ、ただ自分はロードバイクを店の前に止めておくのが嫌なので、やっぱり…」。
以前はラーメンマニアだった俺。
しかし、今は並ぶことに抵抗を感じてしまい「誘われたら行く」ルールを適用している。
「1ヶ月ぶりや。ラーメン誘われたん」と一瞬喜んだが、俺はロードに乗って来たのだ。
断るしかない。
すると、Nさん、「今日も車で来てるんでロードを積んでくれたらいいですよ」。
率直に、「それを早く言ってくれよ」と思った。
最初からロードを積んでくれたら、担いで岩場を歩くなど無駄な苦労をしなくてすんだのに。

駐車場へ向かう。
Nさんは釣り道具を持ちスニーカーでスタスタ歩いて行くが、また俺はロードを担ぎながらSPD-SLシューズで足場を一歩一歩確認しながら進まなくてはならない。
行きと同様、木が邪魔。
肉体的にも精神的にも疲れを感じる。
車のトランクの前でロードをひっくり返し返し、前輪を外している時、自分が汗まみれであることに気付いた。

車に乗り、「近くに自販機ありませんかね?ボトルが空になりまして。喉がカラカラなんですよ」。
駐車場出口近くにあるコーラの自販機の前で降ろしてもらい、「アクエリアス買お」と思ったら売り切れ。
「いろはすの味付きのん買おう」。
売り切れ。
「こんなことでいちいちイライラしたらあかん」と自分に言い聞かせ、何も買わず車に戻った。

暑い時期の車内。
乗った時は極悪だが、徐々に冷房が効いてきた。
車は北に進み、西宮浜から阪神西宮駅方面へ。
「あの、ラーメン屋ですけど、どこ行くんですか?」。
「丸高ですよ」。
「あの和歌山ラーメンの店ですか。最近、西宮にもできたらしいですね」。
丸高中華そばの神戸のお店には、以前行ったことがある(その時もNさんと)。
「夜中でも満員とは、さすが人気店やなぁ」という印象。
ちなみに、引退した阪神のメッセンジャー投手がお気に入りと何かで知った。

「どん」や「たんろん」という西宮の代表格にあたるラーメン屋と同じ通りにオープンした、「丸高中華そば 西宮店」。
車で前を通ると、並んではいなかったので少しほっとした。
のはいいが、駐車場が無いので困った。
周辺をうろうろし、少し離れたところに車を止めて10分近く歩く。
SPD-SLシューズを履く俺にとって、またもや苦労。

やっと店に着くとふたり並んでいる。
俺ひとりなら帰っているが、Nさんもいるので店の外の椅子に座って待つ。
店員さんがメニューを持ってきてくれたので、「何食いましょ?」とNさんと話し合った以外、特に会話も無くぼんやり。
「まぁまぁ待ってる気がするけど、まだか?」と店の中を覗いてみたところ、カウンター6席か7席のこじんまりした感じ。
「そら、ちょっとでも混んだら並ばなあかんわなぁ」。

15分ほど待って入店。
並んでいる時に注文したおかげか、ラーメンの提供はそれなりにスムーズ。
「おぉ…」。
見るからにこってりした食欲をそそる茶色。
スープをすすってみると、「あれ?」と思う。
以前、神戸で食べた時は、見た目こってりで味はあっさりの豚骨醤油。
そんな記憶があるのだが、「西宮のスープは味もこってりやな。まぁ、めっちゃうまいけど」。
ペラペラのチャーシューをかじり、やや量が少なめの麺をささっと食い終える。
後は残ったスープを堪能するのみ。
なのだが、困ったことにスープがめちゃめちゃ熱い。
熱すぎて熱すぎて、水を飲んでスープをすすってを繰り返す。
ただ、途中で「腹の調子悪くなりそうやな」と思い、スープの3分の1を残した。
3日経った今も後悔している。

帰り際、持ち帰りのチャーシュー100gも注文しNさんと別れる。
そして芋焼酎と水を用意して夕方になるのを待ち、ひとり飲み会。
ペラペラのチャーシューを1枚1枚口に含み噛む。
「スープと一緒に食ったらもっと旨いやろけど、単品でもなかなかいけるな」。
焼酎をちびちび飲んで、またチャーシュー。
止まらなくなってきた。
「あぁ、なんて幸せな休日なんだ…」。

翌朝、体重計に乗って後悔。

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