(414)ロードで鳴門を登る~四方見展望台へ~

鳴門スカイライン、登りスタート。
ダンシングで「1、2、1、2」。
それほどエグい傾斜ではなかったので、軽快に登り最初の休憩所を目指す。
平日の昼間だからか、交通量はほぼ0。
追い抜いていく車に神経を使わず走りに集中できる。
「なかなか幸先がええやんけ」と思いながら「1、2、1、2」。

急カーブを曲がり、さらに登り進むと見えてきた。
山と山を繋ぐ橋、第一段。
小鳴門新橋だ。
ここまで木々に囲まれた景色の中を走ってきたからか、橋から見える景色が新鮮に感じられる。
が、「だっる」。
徐々に疲れも感じ、また蒸し暑くて鬱陶しい。
半袖ジャージも汗だくになり、それなりの不快感。

登り始めて10分ほどで嫌気が差してきた。
「あかんあかん。気持ちにちょっと余裕を持とう」と脚を止め、ボトルの水を口に含む。
と、「あら?」。
「あら?何か見えるぞ」。
「遠くの方に橋が見えるぞ」。
「嫌な傾斜やなぁ」。
「だっる」。
ここは、勾配と急カーブが織り成す嫌がらせの世界だ。

「まぁ、ひとりで文句を言ったところで1㎜も進まんしなぁ」。
うつむきながらサドルに跨がり、急カーブをぐにゅっと曲がった後、また橋。
そして、その先にまた登りが続く。
「おい、ちょっと待てよ。さっきも同じところ走れへんかったか?」。
「景色、一緒やんけ!」。
不安になったのでGoogleマップを確認すると、少しずつではあるが進んでいるようだ。
「それやったらええけど」。

顔から吹き出た汗がトップチューブに落ちて弾ける。
また、汗のせいで目がしみる。
鬱陶しいのでバックポケットに手を回し、フェイスタオルを取り出そうとしたところ、「無い!」。
「やばい。車の中に忘れてきたか…」。
仕方が無いので、半袖ジャージの肩の辺りを顔にこすりつけて汗を拭く。
「傍から見たら『何してんねん?こいつ』やろなぁ」。

汗を拭きながら片手でハンドルを握り脚を回し続けると、また見えてきた。
山頂と山頂を結ぶ橋。
「もう、ええっちゅーねん!」。
「ええ加減にしとけよ!」。
ムカムカしてきた。
橋からの景色には目もくれず、怒りをクランクにぶつけて回す回す。
そして疲れる(即)。
うなだれた拍子に、ふとサイコンを見ると「時速9㎞」。
「これはあかんわ」と思う。
「一桁はあかんわ。一桁はさすがにあかんわ」と。

もう一度気合いを入れ直し登り進むと、四方見展望台。
「助かった…」と思う死にかけの俺。
サドルから降り深呼吸。
他に何もする気がおこらない。
しばらくぼけっとしてから、展望台からの絶景を眺める。
が、特に何も感じない。
近くにいる老夫婦が、「~~が見えるね」「見晴らしがいいね」「綺麗な景色だね」といい感じで盛り上がっていたが、俺はジャージに掌をあて「びしょびしょやんけ」。
「こんなもん着てて気持ち悪いわ」。
そう思いながら、自販機を探そうとハンドルに手を添えた。

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