(415)ロードで鳴門を登る~リアルゴールド~

四方見展望台。
疲れているからか、不快感満載の汗だくジャージを着ているからかはわからないが、体がリアルゴールドを欲している。
「リアルゴールド…、大至急リアルゴールドを…」と、自販機を探しうろうろする。

「あら?」。
ふと目に入ったのが道路の向かい側にあるトイレ。
「どこかで見たような」と不思議に感じる。
「あ!」。
以前、鳴門スカイラインを走った際、登り始めてすぐにあった休憩所。
そう記憶していたトイレだ。
実際は25分登り続け、しかも鳴門スカイラインの中間地点。
まぁまぁ走ってきた。
「登り始めちゃうやんけ。記憶って、ほんまええ加減なもんやな」と思いながらも「さて、リアルゴールド、リアルゴールド」。
コカ・コーラの自販機が休憩所の隅っこの方にあった。
ホバリングしているクマバチを避けつつ、ロードバイクのハンドルを押して進む。

赤い自販機に小銭を入れ、リアルゴールドを買いガブガブ飲んでいると、赤いトラックが目の前に止まった。
トラックから降りてきた茶髪の配送ドライバーがジュースの補充を始め、それを横目にリアルゴールドを飲む俺。
素朴に思う。
「俺って、人生間違ってへんか?」と。
「平日の昼間は、普通働くもんやで」。
「『登りが嫌いだ』とか『蒸し暑い』とか文句を垂れながらも趣味に興じている俺って、のんきなもんやで」。
急にその場から立ち去りたくなり、またサドルに跨がった。

ペダルを踏むと、すぐに下り。
脚を回さなくても加速する。
「全軍突撃!」と脳内で叫ぶ俺。
まぁ、俺ひとりしかおらんけどね。
それはそれとして、今までの登り続けたご褒美だ。
「楽させてもらおう」とクランクを回すのをやめ、下り坂に身を任せる。
と、一気に体が冷えてきた。
ジャージが汗だくなのもマイナスに作用したようだ。
「ウインドブレーカーを羽織ろうか」。
サコッシュに手を入れる。
無い。
「またや。車に忘れてきたみたい…」。

下りながら寒さの心配をしていると、また登り。
目の錯覚かと思った。
「いらんって」。
「それはそれでしんどいわ」。
と登った後は、下り基調。
寒さに耐えながら進む。
徐々に気持ちに余裕が生まれ、景色に目をやったついでに腕を見ると真っ赤。
「ええ感じに日焼けしたやんけ」と思うが、「帰ってから風呂に入ったらヒリヒリするんやろなぁ」と複雑な心境になった。

鳴門スカイライン。
やがて海が見え、海岸沿いを走るまでもう少し。
下って下って、見えてきた。
海。

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