(419)ロードで鳴門を登る~福丸水産の天ぷら盛り合わせ定食を味わう~

鳴門における俺なりの贅沢、福丸水産に着いた。
入店前に、少し気合いを入れなくてはならない。
と言うのも、このお店、売り場に並んでいる魚や貝や肉を好きなだけ買ってバーベキューするシステム。
バーベキューする環境に俺はひとりで乗り込まなくてはならないのだ。
まぁ、既に5回ほどひとりで来てるけどね。

入店して右手にバーベキューの食材。
左手にレジ。
レジ周辺には定食メニューが飾ってあるので、「俺は定食を食いに来ました。バーベキューしませんよ。ひとりでもおかしくないでしょ?」とアピールする意味を込めて、「天ぷら盛り合わせ定食をお願いします」と店員さんに伝える。
堂々と。

前払い制なのでその場で1,200円払い、テーブルに案内される。
真ん中に網がある6人掛けのテーブル。
バーベキューをする環境は整っているが、俺は定食。
「たった俺ひとりのために、こんなテーブル使わせてもらってすみません」と思わないこともないが、5回も来ていると「どうでもいいこと」として処理されつつある。

5分10分待ち、目の前に天ぷら定食。
「見た目からしてええ感じやわ。1,200円の価値あるわ」と感心しながら、小鉢に箸を進め「うまいわぁ」。
次にご飯を頬張り、味噌汁を少し口に含む。
計算しつつ、小鉢→ご飯→味噌汁を繰り返す俺。
メインの天ぷらは最後に回したいのだ。
小鉢→ご飯→味噌汁。
小鉢→ご飯→味噌汁。
徐々に腹が膨れてきた。
「配分ミスったな」と思う。
が、まぁいい。
天ぷらに手をつける。
見るからに食い応えのありそうな海老。
「カリッ」。
食感の良さを感じながら、次は蛸だ。
蛸は蛸で食感の良さがあり、「うまい」と素直に思う。
「蛸の唐揚げは居酒屋で食ったことあるけど、天ぷらも最高やわ」。
そんな流れで天ぷらを頬張り幸せを感じつつも、敢えて最後まで残していたのが南瓜。
「天ぷらの主役は海老」が一般的かも知れないが、俺は「南瓜」だ。
口に含んでカリッと噛んで、甘味と旨味を楽しむ。
南瓜の天ぷら、ヤバイね。
おっさんが料理を目の前にしてひとりで戦略を立て、ひとりで感想を言い、食べ続ける。
「そういや、『孤独のグルメ』ってこんな感じやな」。

「食った食ったー」と満足感に浸っていると、もう14時半だ。
真鯛と向き合っているNさんが釣りを終える15時まで十分時間を潰せた。
会計して待ち合わせ場所の渡船乗り場へ向かう。
普通にスニーカーを履いて歩けば10分ほどの距離でも、SPD-SLシューズでは20分近く要する。
「あぁ、サンダル持って来たらよかったわぁ」。

「真鯛は釣れたんですけどねぇ、小さかったから逃がしましたわぁ。他にもねぇ」。
Nさんからなんやかんやと釣果を聞いたが、クーラーボックスはカラらしい。
釣り道具を車に収納し、運転席に座ったNさんから「ラーメンでも行きますか?」。
素直に俺は徳島ラーメンが好きだ。
「ちょくちょく行ってる三八、うまいよ」。
そう思う。
ただ、帰りにラーメン屋に行くと聞いていなかった俺は(先に言ってくれたらよかったのに)、本能の赴くままに福丸水産に行き、天ぷら盛り合わせ定食を食ったわけで。
「すみません。さっき食べたんで」。

車は鳴門市の北側に進む。
「今日、この海岸の道を走ったんですわぁ」と俺。
「ロードバイクお遍路はしなかったんですか?」。
「ちょっとね、鳴門に着いてから車の中で寝すぎましてスタートが遅れたんですよ。なので近場を走りました」。
「ほぉ」。
大鳴門橋を渡る頃には、いつも意識を失い眠りに入っていた俺だが、この日はよく寝たおかげで元気。
まぁ、俺は元気でも、仕事を終えて深夜から車の運転をして釣りをして運転…のNさんは辛かったのだろう。
「休憩するんかな?」。
車は淡路島のサービスエリアに入る。

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