(423)阪急塚口へ唐揚げを買いに走る-2

阪急塚口駅の近く、「あっちゃんのからあげ屋」に着いた。
テイクアウト専門店らしく、外からは窓口があるだけの小規模な建物で、宝くじ売場のような佇まい。
「うん、こういうのすっごい助かる」と頷く俺。
外にロードバイクを止め、入店して注文するお店と違い、盗難の恐れが無い。
この時点で「また来よう」という気分になった。

窓口の横に貼り付けられたメニューに目を通す。
まず、タレに漬け込んだ「黒から」と、下味控え目の「白から」。
「白から」は、「おろしポン酢」や「ネギマヨソース」などトッピングをして味わうようだ。
「こんなん、絶対うまいに決まってるやん!」だ。
他にも「手羽唐」や「弁当」もあったが、俺は保守的。
「すみません。『黒から』を5個お願いします」。
「有難うございます。5分ほどお時間頂きます」。
中から男性店員さんの声が聞こえた。

「蒸し暑いわぁ」。
ロードのサドルを腰に立て掛け、店先に佇んでいると、「すみませーん」。
女性のお客さんが2人来た。
「そういや、俺の前にも女性のお客さんが1人いたな。食欲旺盛な男性好みのお店かと思ってたけど、女性ファンも多いんかな?」。
「行列ってわけじゃないけど、ひっきりなしにお客さんが来るなぁ」。
誰に頼まれたわけでもないのに、勝手にお店の分析をしていると、「お待たせしました。黒から5個のお客様!」。

店員さんから手渡されたビニール袋の中を覗きこむ。
そこには、紙袋に包まれた大きな唐揚げ。
「うまそう」。
「平べったいプラスチック容器じゃなくてよかった。これやったら、ロードに乗っても邪魔にはならんわ」。
ちょっとした喜びに浸りながら、俺はサドルに跨がった。

往路は阪神バスと阪急バス、渋滞に悩まされたので、復路は別のルートを検討する。
「ちょっと南に行けば山手幹線が通ってるな。うん、山手幹線で帰ろう」。
クランクを回し、5分もしないうちに山手幹線に着いた。
が、「渋滞やん…」。

イライラしながら西に進み、途中から武庫川サイクリングロードを走って阪神甲子園方面に向かう。
途中、「サイクリングロードの脇にあるベンチに座って、景色を見ながら唐揚げ食おうか」と思い、立ち止まった。
しかし、缶ビールも無ければ缶チューハイも無い。
景色も嫌と言うほど見慣れている。
「真っ直ぐ帰って、家でゆっくり飲み食いしよ」。

玄関を開け、靴箱にロードを立て掛けて、ジャージをそこら辺に脱ぎ捨てる。
缶チューハイを用意をして、待ちわびた時が来た。
紙袋に手を突っ込み、黒からを1個取り出してかじりつく。
「うまいうまい。俺好みのしっかりした味やわ」。
缶チューハイをごくごく飲み、また黒からをかじる。
「うまい」。
満足感に浸りながらも、「ちょっとやってもうたかな…」と不安も感じた。
と言うのも、クソ暑い中を走ったせいで、やや食欲が減退している自分に気付いたからだ。
「5個は買いすぎたかな…」。
「しかも、1個1個がめちゃデカい(買う前から知ってたけど)」。
「3個で十分やったな」。
ところが、悔やみつつ食べ進めていると、不思議なことに食欲が戻ってきた。
むしろ、「一緒にご飯も食いたい。ガツガツいきたい」。
そんな感覚に陥る。
結局、黒から5個をぺろりと平らげた。

味も量も俺を満たしてくれた。
「バスに妨害されながらも暑い中走って行ってよかったわぁ」。
報われた気持ちにもなれた。
次は白からのネギマヨソース、いきます。

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