(436)しまなみ海道を走り、とびしま海道を走り~「マリンオアシスはかた」にて~

大三島橋を渡り、伯方島に入る。
見慣れた海沿いのコースではなく、遠くに山が見える緑豊かな平坦コースを走りながら、「久々に信号を見たような」と妙な新鮮さを感じた。
この伯方島自体、綺麗な景色を堪能できそうな雰囲気がある。
しかし、我々のルートは次の大島へと最短距離で進むルート。
ただの通り道と認識し、クランクを回した。

と、前を走るSさんが右前方を指を差し「寄って行きましょう」。
その先は、マリンオアシスはかた。
道の駅の施設で、特産品の売場やフードコートがある。「あぁ、多分ここやな」。
しまなみ海道へ出発する前に、Googleで「しまなみ海道 グルメ」を検索し、「伯方の塩ラーメン」や「伯方の塩ソフト」を紹介した記事を見た気がする。

サイクルラックにサドルを引っ掛け、「自分はここで待ってますんで、買い物があったら気にせずに行って下さいね」とSさんに声を掛ける。
「はい。ちょっと行ってきます」。
5分ほどして、Sさんはソフトクリームを舐めながら戻ってきた。
「それは伯方の塩ソフトですか?」。

「はい。美味しいですよ」。
「スイカに塩をかけて、より甘味を引き出す…みたいな感じなんですかね?」。
「そうですね」。
俺は食に対するチャレンジ精神が乏しく、保守的だ。
「ソフトクリームに塩?自分で言っておいて何やけど、そもそもスイカに塩も俺はせえへん。ほんまに旨いんか?」。
不思議な気分でSさんが食べ終わるのを待った。

「krmさんも何か買いに行きますか?待ってますよ」。
Sさんにそう言われ、「お言葉に甘えて」。
特に何か買うつもりは無かったが、ずっとロードバイクに乗っていると意味も無く歩きたくなる。
ぶらぶらとフードコートの辺りをうろつき、一応メニューに目を通して、「塩むすびかぁ。伯方の塩のおにぎり、旨そうやん」と思ったが、結局何も買わずにサイクルラックへ戻る。
サイクリング中は、空腹感が少々あった方が良いのだ(個人的には)。

「伯方島では、もうやり残したことは無いね」と出発しそうになったが、念のため、スマートフォンでmapを確認する。
少し進むと伯方・大島大橋があり、それを渡ると大島。
その次にゴールである今治だ。
「このペースやと、余力を残して今治に着きそうやな」。
胸を撫で下ろしていると、「亀老山の展望台はどうします?」。
Sさんに聞かれ、「その話はやめて…」と思う俺。

亀老山展望公園は大島にあり、海と山並み、町並みが見渡せる。
景色が良く、旅の思い出に残るだろう。
しかし、問題点がひとつある。
それは、俺の大嫌いな登りということ。
先日、YouTubeでロード関連の動画をアップしている「なななチャンネル」を視聴したのだが、nanaさんが必死こいて亀老山を登ってる姿を見て、「俺はこんなん登りたくない」と心から思った。
よって、「No!亀老山展望公園?冗談じゃないですよ」とSさんに言いたい。
ただ、SさんにはSさんの都合があるのだ。
話は数日前に戻る。
「しまなみ海道を走りましょう」と誘われ、尾道で待ち合わせる前までの間、頻繁に連絡を取り合った。
その中で、2日目、今治での宿泊は各自でホテルを選び予約する流れになり、SさんはSさんでホテルに電話予約した。
その際に、ホテルの主人に「しまなみ海道走ってくるんやったら亀老山は登らなあかんで。絶景やから」と言われたそうだ。
Sさんからその話を聞き、「余計な入れ知恵しやがって」と俺は思った。

「めちゃめちゃしんどいやんけ…」。
どうも前向きな気持ちにはなれない。
しかし、「Sさんは乗り気なんやな」と感じたし、「こんな機会もなかなか無いしな」とも思い、「亀老山展望公園に寄りましょうか」と答えた。

1時間後、俺は地獄を見る。

つづく

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