(451)しまなみ海道を走り、とびしま海道を走り~下蒲刈島での消極的な走り~

蒲刈大橋を渡り終え、下道を走る。
岡村港からスタートして25㎞ほどの地点。
これまで自然に囲まれすぎた環境の中を走っていたせいか、建物がぽつぽつ見えただけで、大きな町が近くにあるような気がした(飽くまで気がしただけ)。

この下蒲刈島は、とびしま海道、最後の島になる。
Sさん(数少ないこのブログの読者 40代 男性)は体力が有り余っているのか、スピードが落ちない。
相変わらず、積極的な走りを見せる。
対して、俺は消極的な走り。
サイコンがぶっ壊れていたため正確な時速はわからないが、体感では20㎞未満。

少し進むと、「これはお寺やろか?」。
気になる建物。
クランクを止め、凝視する。
「うん、気になる」。
本来なら、Sさんに追い付くため先を急ぐべきだが、俺は急がない。
バックポケットからスマートフォンを取り出し、調べてみた。
「ほぉ」。
「『松濤園』っていう庭園かぁ」。
一瞬、「ちょっと寄って行こか」と思ったが、Sさんは随分と先を走っているようなので、「さすがにひとりで観光してる場合じゃないよな」。
「パス」。
まぁ、俺なりに少しは空気を読んだ。

またしばらく進むと、「なんじゃこれ!?」。
「屋根の辺りが天守閣っぽくて格好いい!」。
また、木造二階建てのようだが、よく見ると壁がタイル。
「おぉ!独特の雰囲気を醸し出してる!」。
先を急がずスマートフォンを取り出して確認。
「『観瀾閣』いうんか。ほぅ、満州土木建築業協会理事長の別荘でどうたらこうたら…か」。

歴史を感じさせるこの下蒲刈島は、江戸時代に参勤交代で江戸に向かう大名や朝鮮通信使の交通路であり、宿泊地だったそうで(帰ってから詳しく調べた)、「そら、赴きがあるよなぁ」だ。
それより、Sさんに追い付かなければ。
と、また切迫した気持ちになったが、「久々に自販機見たな。水を買おう」。
特に喉が渇いていたわけでもないが、余裕をかまして水を飲み、残った分はボトルに流し、「さてと」。
Sさんを追う。
この記事を書きながら、この日のことを思い出してみると、俺はSさんの足を引っ張りまくっていたようだ。

数分、クランクを回していると、「あ、Sさんや」。
町の外れで俺を待ってくれていた。
「お疲れ様です」と言われ、「にゃんぱすー」。
そう返そうか考えたが、100%アホと思われる。
「お疲れ様です」。

久々にふたりで走り出すと、いきなり信号。
これまた帰ってから調べて知ったのだが、とびしま海道唯一の信号だったらしい。
まぁ、普通の信号だが。

「朝、今治から出発してずっと天気悪いよな」。
「まぁ、雨が降れへんだけマシやけど」。
空を見上げながらなんとなく脚を回す。
と、安芸灘大橋が見えた。
最後の橋だ。

つづく

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