(459)ロードの旅 ビワイチ編~武庫川、梅田、守山~

7月16日。
事務所を借りているビルが停電のため、仕事は休み。
翌17日、琵琶湖の北湖(ネット情報では150㎞とか160㎞と記載されていた)を走るため、滋賀県守山市のホテルに移動する。
が、悩む。
うち(兵庫県西宮市)から甲子園駅で阪神電車に乗るにも、甲子園口駅でJRに乗るにも、普段の駅前はそれなりに人が歩いている。
ロードバイクを輪行バッグに収納する際、周りの人に迷惑を掛けそうだし、そもそも駅前には作業するスペースが少ない気もする。

そこで乗車駅の範囲を広げてみる。
阪神武庫川駅。
西宮市と尼崎市の境目にある駅だ。
武庫川という川の上にあるので、電車マニアにはたまらないかも知れないが、普段利用したり通過している俺にはあまり値打ち感じない。
が、普段、武庫川サイクリングロードを走っている俺は知っている。
駅(西宮側)の裏側にちょっとした遊歩道があり、「あそこやったら誰にも迷惑掛けへんな」となった。
「まぁ、しょぼい駅やけど武庫川から阪神に乗って梅田に出よか。で、大阪駅までちょっと歩いて新快速や」。

バックパックを背負い、武庫川駅までゆったり走る。
途中、サングラスを掛け長髪を後ろで括ったおっちゃんとすれ違い、「よぉ!」みたいな挨拶をされたが、「誰やねん?この人」。
後になって考えてみると、近所のたこ焼き屋の兄さんだ。
彼がサングラスを掛けていたので誰か分からず、俺は無視してしまった。
「俺、感じ悪いよなぁ」と反省。

駅の裏、遊歩道でロードのホイールを外し、輪行バッグに詰め込む作業を始める。
日差しが強く、暑くてたまらない。
ロードをひっくり返し、クイックリリースレバーを解除した時点で、既に汗だく(重労働なんてしてないのにね)。
輪行バッグを広げていると、ふと地面に目がいった。
蟻がうじゃうじゃいるではないか。
「地べたに置いたバックパックの下にもおるんやろなぁ」と思うと気持ち悪くなり、なるべく早く収納作業を終わらせようとしたが、 気が焦って10分ほどかかる。
途中、エンド金具(リアエンドにかましてフレームを立たす金具)の取り付けが不安定だったのか、フレームが倒れてしまい、遊歩道の手すりにフロントフォークが激突。
「勘弁してくれよ」と思うと同時に、今まで以上の汗が流れ出した。

「もしかして阪神電車って最高の私鉄なんちゃうか?」。
そう感じ、冷房の効いた車両の中で20分ちょいで梅田駅に着いた。
「はぁ…」。
ため息を吐いて輪行バッグを担ぐ。
おそらく冷房が効いている地下街を歩き大阪駅に向かうわけだが、暑い。
輪行バッグのせいで。

JR大阪駅。
大阪で生まれ育った俺にとって、大阪駅は大きいがボロい。
汚い。
とにかく汚い。
そんな印象が残っている。
汚い部屋や建物を見ると、反射的に「地下鉄の便所」と「大阪駅」を連想したぐらいだ。
が、徐々に綺麗になった大阪駅。
昔の面影が無くなり、妙に近未来的な雰囲気。
嬉しいような寂しいような、複雑な気分になる。

予約したホテルがあり、Sさんと待ち合わせてビワイチをスタートする守山駅まで、新快速(特急料金不要の特急みたいなもの)に乗れば1時間もかからない。
大阪駅に着くと、都合良く新快速が来た。
日頃の行いの良さを実感。

一番後ろの車両に乗り込むと、コロナのせいかスッカスカ。
でも、座席には座らない。
立て掛けた輪行バッグを見守るように、その脇に俺も立ち続ける。

馴染みがあるからか、京都駅まではすんなり進んだ気になったが、その先は「しんどいわぁ」という気分で守山駅まで電車に揺られる。
「おー、新快速が止まる駅やけど、こっちまで来るとなかなかの田舎。空気が違う」。
少しテンションが上がり駅のホームを歩いたが、「重いわぁ」。
「この袋、極悪や…」。輪行バッグを担ぐと、すぐに汗が噴き出した。

つづく

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