(460)ロードの旅 ビワイチ編~エンゾ早川氏について語った京都の夜~

守山駅に着いたのは16時半ぐらい。
駅の東口にある「ライズヴィル都賀山」というホテルに向かって歩く。
駅から2、3分の距離だが、重い…。
暑い…。
すぐ先にホテルが見えるのに、かなり遠く感じる。
「無理やわ…」。
輪行バッグを下ろし、ロータリーの脇で少し休憩。

5分ほどベンチに座り、またホテルに向けて歩く。
「おぉ、ええやん」。
外装が煉瓦のお洒落なホテルで、ビアガーデンだかオープンカフェと綺麗な庭が見えた。
ただのビジネスホテルだと考えていたが、お洒落すぎる。
クソ重たい荷物を抱え汗だくの俺は、自分の姿を想像し、中に入ることに躊躇した。
しかし、既に予約しているのだ。
勇気を出して、チェックイン。

フロントで受付を終え、部屋に入る。
そして、輪行バッグを隅に置いて、汗まみれの服を脱ぐ。
「1秒でも早く風呂に入りたい」と念じながら。
そもそも、家を出た瞬間から、じめじめした空気と汗が流れる体、汗のせいで背中に張り付くTシャツが気持ち悪かった。
至急、風呂に入ってリフレッシュしたい。

風呂から上がり、汗まみれではない新しいTシャツに着替えて部屋を出る。
大学時代の友人と酒を飲むために、京都駅に向かわなくてはならない。

輪行バッグを担いでいない状態での歩行は別世界に感じるほど楽で、ホテルから守山駅の入口まですぐに着いた。
券売機で切符を買いホームに降りると、何かの事故で電車が遅延している旨のアナウンスが流れていたが、時間には余裕がある。
ぼんやりとtwitterに目を通しながら電車を待つ。

友人と待ち合わせの約束をしていた、18時の少し前に京都駅到着。
「京都タワーが見える方の改札に行けばええか?」とLineを送ると、「うん、その改札で」。
改札を出ると友人が見えたので、「久しぶり」と声を掛けると、「とりあえず、こっちの方に行こか?店多いし」。

歩きながら、スーツを着ている友人がなんとなく気になり、「仕事帰りか?残業無いん?」。
「あるわけないやん。コロナのせいで、営業に出ようにも取引先のお店閉まってるから、やること無いねん」と。
続けて、「会社からは毎日『早く帰って』言われてるわ」。

じめじめした空気を感じ、「せっかく風呂入ったのに、また汗だくになるんも嫌やなぁ」と、「俺、こだわり無いから適当な店に入ろう」。
「じゃあ、ここにしよか?」と提案されたのが、串カツ屋。
「俺、昨日串カツ食ったから、なるべく違うもん食いたいわぁ」。
今さっき「こだわりが無い」と言っておきながら、即却下した自分の身勝手さが情けない。

「ここでええやろ」。
時間帯のせいかコロナの影響か、あまり混んでいない焼肉屋を見つけ入店。
アスリート気取りの俺は鶏肉を中心に注文し、乾杯。
適当に世間話をしていると、友人から「ちょっと相談に乗ってくれ」と。
「給付金でロードバイク買おうかと思ってるんやけど、教えてほしいことあるんやわ」と。
「そういや、前にLineでも言うてたな。ロード買いたいって」。
2、3ヶ月前のことを思い出し、「うん、何でも聞いて」。

以下、友人の質問と俺の回答。
これを読むあなたが俺の立場だとすれば、また違った回答をすると思うが、まぁ、読み進めて下さい。

友:予算10万でロードを買えるか?
俺:買える。カーボンフレームじゃないと嫌だとか、コンポーネントをCampagnoloじゃないとダメだとか、妙にこだわりが無い限り、とりあえず10万未満で買える完成車はある(ただ、ライトやペダルやポンプなど、別に2万ぐらい予算が欲しい)。

友:フレームの素材は何がいいか?
俺:昔よりかは安い価格帯のカーボンフレームもあるが、予算を考えるとアルミでいいかと。また、転倒してフレームが破損した場合、カーボンは怖い。初心者だからこそカーボンは避けた方が良いとも思う。アルミにしましょう。

友:どの店で買うか悩んでいる。近所に、買った後のサポートをしっかりしてくれるが定価販売の店がある。また、手厚いサポートは受けられないかも知れないが、安い店も選択肢にある。
俺:初心者だからこそ、高くてもサポートしてくれる店を選ぶべき。ネットで調べたらわかることもあるが、近くに親身になって教えてくれる人がいた方が良い。

友:メーカー毎に特色はあるのか?
俺:ある。例えば、BianchiとPinarelloのカタログを読み比べたら、どこに力を入れているかわかると思う。ただ、10万前後の価格帯なら、どこもそんなに変わらないかと…。

友:店舗でGIOSのロードを見て気になっている。GIOSについてどう思うか?
俺:エンゾ早川。

友:エンゾ早川とは何か?
俺:茅ヶ崎にある自転車の店主(他にも、自称している肩書きは数多い)。選手として、またメカニックとしての実績は無いと思うが、ロード関連の本を何冊か出している。俺がロードに乗り始めた時に読んでみたが、「血を流さない革命団」だか何だかよくわからない思想の話があったり、全く期待していない彼のファッション観について書かれた本もあった。あと、ノーヘルで走る理由が「神との交信」だか何だか書かれており、「えらい本を買ってもうたわ」と思ったものだ。ただ、自転車業界に身を置きながらも自転車業界に苦言を呈する姿勢は良いと思う。主張したいことを主張する点は彼の魅力。しかし、単に自分に酔っているだけかも知れない。ちなみに、人は彼を「青い彗星」と呼ぶ。

友:そのエンゾ早川とGIOSの関係は?
俺:エンゾ早川がGIOSを推していた(単に、彼の店はGIOS以外のメーカーに取り扱わせてもらえなかっただけの話かも知れないが)。

友:GIOSは体裁が悪いメーカーなのか?
俺:そんなことはない。伝統のあるメーカーであり、多くの人にとってGIOSを象徴するブルーは魅力的に感じるだろう。ただ、たまにGIOSに乗ってる人を見掛けると、「あぁ、この人はエンゾ早川に感化された人なんだろう」と色眼鏡で見てしまう。

以上、「まさかエンゾ早川氏について語る機会が訪れるとは!」と我ながら驚いた京都の夜だった。

つづく

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