(484)ロードの旅 また来たビワイチ~宝串~

ロードの旅の楽しみは、走るだけではない。
飲み食いすることも大きな楽しみだ。

ホテルにチェックインし、湯船に浸かりながら「どこで飯食おか?」と考えたところ、「食べログで調べてみよか」となった。
「おー、近くに評判がいい店あるやん」。
営業時間は16時から。
「今はまだ16時過ぎやから、混んでへんやろ」。
「よし、ここにしよかぁ」。
風呂を上がり、ささっと体を拭いて着替えた後、ホテルを出た。

ホテルからほんの少し歩いてお店に到着。
ガラガラと横開きの扉を開けると、スタスタスタスタ。
お店のスタッフが出てきた。
「1人ですがいけますかね?」。
「あの、ご予約のお客様ですか?」。
「いえ、予約はしていません」。
「そうですかぁ。今、取材中でして…、すみません」。
なるほど。
俺は食べログで営業時間をチェックしたが、「この日(9/3)は取材のため、営業時間中においても入店できません」などとFacebookかTwitterで告知していたのだろう(知らんけど)。
ただ、俺はそこまで情報を追い掛けていなかったので、すんなり店を出ようとした。
が、また「予約はされましか?」と。
「DA・KA・RA…『してへん』言うたやんけ!」と思いながらも、「いえ」と再度伝える。
「そっちにはそっちの都合があるんはわかる」。
「ただ、取材がどうのって時点で『縁が無い』って俺は割り切ったから、頼むからさっと帰らせてくれよ」。
「面倒くさい展開にせんといてくれよ。俺に何か恨みでもあるんか?」
複雑な心境になったが、気持ちを切り替え「さぁ、次!」。

他に1軒、気になる店があった(食べログ情報)。
こぢんまりした焼鳥屋…と思いきや、野菜、海鮮、牛の串ものがあり、さらに串カツまで網羅している。
ホテルからは少し遠いが、ちんたら歩いて向かうと営業開始時刻の17時ジャストに着きそうだ。
ちんたらちんたら。
ちんたらちんたら。
ちんたらちんたらと歩く。

「あったあった。宝串」。
横浜のラーメン博物館にありそうな、昭和っぽい佇まい。
「これはやってくれそうや。期待してるで」。
入店し、メニューを開いて「瓶ビール!」と言いかけたが、「たかっ!」。
「大瓶か?」。
少し混乱した後、「生ビールください」。
気を取り直して、再度メニューをまじまじと見る。
「串物多いなぁ。魅力的」。
「お!串以外も、炒め物もそそるやん」。
何を注文しようか悩んでいると、眼鏡を掛けた金髪の兄さんが話し掛けてきた。
「お客さん、わさびは大丈夫ですか?」。
「はい、大丈夫です」。
しばらくして、さわびの風味が絶妙な枝豆を出され、「旨い。こんなん初めて食ったわ」。
しょっぱなから感動。

「あ、すみません。とりあえず塩キャベツをください」。
独り暮らしで、普段あまり野菜を摂取しない俺。
飲み屋では、野菜を食うことを心掛けている。
積極的に。

すぐに塩キャベツが出され、量もあるし味付けも満足。
「うん、旨いわ」。
はまりそうになったが、一度精神を落ち着かせ、次の注文を考える。
「あの、串カツの盛り合わせをください」。
その後、しばらく待つと出てきたが、「串カツにもキャベツが付いてくるんかよ!?」。

金髪眼鏡の兄さんに串の説明をしてもらい、揚げたての串カツにソースを付けてかじる。
そして、キャベツを口に含む。
串カツとキャベツを交互に食べ進め、キャベツの量を順調に減らしていった。

「すみません。ハイボールください」。
酒も進む。
翌日(9/4ビワイチ)のことをすっかり忘れ、飲み食いに夢中になった。
「すみません。ササミを2本ください」。
メニューによると、無料でトッピングと言うか味付けをしてくれるそうなので、「2本ともわさびで」。
うん、これも旨かった。
と、学生らしき団体が入店。
いきなり盛り上がっている。
そして、「ブー」とブザーが鳴り、「生チューお願いします!」。
「俺も生チューで!」。
その時、気付いた。
俺の目の前にもボタンがある。
「あ、これを押して、注文せなあかんかったんかぁ」。
「俺、直接、店員さんに声を掛けてたで」。
まぁ、それでも親切に接客してくれた金髪眼鏡の兄さんに感謝しつつ、俺は店を後にした。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする