(487)ロードの旅 また来たビワイチ~藤ヶ崎龍神~

Sさん(三重県在住 40代 男性)と合流し、「ではスタートしましょか」の前に、「ちょっと待って下さい。そのロードですか?最近買ったのって」。
Sさんの乗るグラベルロードがとても気になった。
どうも、Sさんが普段走るいくつかのルートには未舗装の道もあるようで、入門用のグラベルロードを衝動買いしたそうだ。
確か、カーボンロード、クロモリロードに続き3台目のグラベルロード。
フラットバーハンドルとタイヤの太さが俺にとっては印象的で、「これで走るんですか?」と尋ねたところ、「はい。今はMTB寄りですが、これからもう少しロード寄りに変えていきます」と。
また、「今日は雨が降るので路面の状態が悪くなると思い、これを持ってきました」と。
なるほど。
路面を気にせず走れるのは羨ましい。
では、出発。

どちらが前でどちらが後ろでと特に決めたわけではないので、お互い適当にクランクを回す。
走りながら「この景色を写真に撮っとこか」と思えば、俺は脚を止める。
スマートフォンで写真を撮ってからSさんを追い掛ける…を繰り返したのだが、グラベルロードだからか「いつもよりもSさん遅いな」と感じた。
また、ロードに乗ってる俺は、走りながらも脚を回さず休憩しながら進むことができたが、Sさんは常にせわしなく脚を回している状態。
「ゲンゴロウみたいな人やな」と思いながら、Sさんの背中を眺めた。

「まぁ、このまま写真を撮りながらマイペースに走ったらええわ」。
気楽にビワイチを楽しむつもりでいたが、それは間違い。
雨を気にしなくてはいけない。
この後、確実に降る。
降る前になるべく距離を稼ぎたい。
しかし、「またかよ…」。
前回同様、「歩行者と自転車は迂回しろ」を指示する看板に出くわした。

迂回路は下が砂や石なので、ロードでサーっと走り抜けることはできない。
転倒する懸念がある。
グラベルロードに乗るSさんはそのまま進めそうだったが、俺に合わせてくれたのだろう。
サドルを降りてハンドルを押しながら一緒に歩いた。
「民家の裏庭?」という場所に道は続き、私有地を通過するようで自然と気を使ってしまう。

やがて、大きな岩と鳥居が見えた。
藤ヶ崎龍神だ。
伊勢神宮のような大きな神社ではないが、内宮と外宮があり、今回のビワイチでは内宮にお詣りしたいと考えていた。
大きな岩の割れ目、人ひとり入るのがギリギリのスペースで龍神様を参拝。
サイクリング用の財布から小銭を出して、「今回はスリップして自爆せず、怪我の無いよう見守って下さい」とお願いする。

とぼとぼ歩き、迂回路は終了。
アスファルトの道に戻り、お互いに前を走ったり後ろを走ったり。
まぁ、俺がのんびり写真を撮っている間にSさんが進み、追い付くこともあれば、Sさんが待ってくれているパターンもあった。
いや、Sさんが待ってくれてることの方が多かった。

「あの、Sさん。前にビワイチを走った際、休憩したローソンがありましたよね?」。
何故か無性にアクエリアスが飲みたくなり、Sさんに尋ねると「この先、すぐのところのローソンですよね」。
「寄ってもらっていいですかね?」。
「はい」。

天気予報は雨。
走りながら雲を見ると、「そろそろやばいな」。
嫌な予感しか無い。
繰り返すが、雨が降る前に距離を稼ぎたい。
しかし、アクエリアスは飲みたい。
普段、アクエリアスを愛飲しているわけでもないが、何故かアクエリアスが飲みたい。
アクエリアス…。
アクエリアス…。
クランクを回しながら何度も空に目をやり、ローソンを目指す。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする