(495)ロードの旅 また来たビワイチ~嫌な予感しかしない~

午前中の豪雨もしつこく降り続いていた小雨も止み、天気は良い。
絶好のサイクリング日和という感じ。
だが、暑い。
本当に暑い。
が、いちいち文句を言っていても仕方が無い。
顔に流れる汗をグローブで拭きながらクランクを回す。

前を走るSさん(40代 男性 このブログを読む心の広い人)の背中に目をやると、ジャージに汗が染み、きっと俺と同じ苦しみを味わっているのだろうと思った。
「暑い…」と。
「許してくれ…」と。

アウターで坂を登りきった先に見えたのは、岩熊第二トンネル。
歩道が広いのは助かるが、「それにしても広すぎひんか?車道と同じぐらいの幅あるで」。
不思議な気分でトンネルをくぐると、ボーナスステージが始まる(はず)。
前回走った時のいい加減な記憶によると、車の往来も信号も少ない道が20㎞ほど続く(はず)。
雨宿りやパンク修理でロスした時間をここで取り返すのだ(ったらいいな)。

トンネルを抜け一気に坂を下ると、のどかな田園風景が広がった。
俺は大阪市内で生まれ育ち、盆や正月に祖父母の家に行く機会があっても、母方の家は俺と同じ大阪市内。
父方は大阪府の高石市という中途半端すぎる田舎…なので、田畑が広がる景色を目にしても懐かしさを感じない。
遠い過去の記憶にも無い。
しかし、新鮮さを感じる。
「いやぁ、この景色ええわぁ。ビワイチで一番やわぁ」と喜んで写真を撮りまくったわけだが、「ゴロゴロ」。
何か嫌な音が聞こえた。
気のせいか。
音がした方向に目を向けると、嫌な予感しかしない。
嫌な予感しかしない色の雲。

「ちょっと待ってくれよ…」。
考える。
ここで豪雨のターンに入ってしまうと、さらに時間をロスしてしまう。
せめて進める程度、小雨ぐらいにしてほしいが、俺の一存で天候は決まらない。
この先、どうなるのか?
不安が重くのしかかった。

少し進み、三叉路でSさんと合流。
「あの、Sさん。ちょっと気になるんですけど」。
「はい?」。
「さっき、雷が鳴ってる音、しませんでした?」。
「え?聞こえなかったですよ」。
俺は「ほんまかいな?」と思った。
きっと、Sさんは走ることに夢中で聞こえなかっただけではないか。
でも、俺とSさんとでは、Sさんの方がしっかり者キャラになる。
あてにならない俺の感覚より、Sさんの「聞こえなかったですよ」という言葉を信じよう。

ちなみに、クランクを回し続けて30分後に結果が出た。
「俺の方が正しかった…」。

つづく

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